10日間、パウダールーム密着取材
はたして、こうしたパウダールームで実際、女子たちは何をしているのだろうか? 同じ女子とて、他人がどう利用しているかなど、知る由もない。
都心の百貨店やファッションビルなどで女性たちのパウダールーム活動(略して「パウ活」)をのべ10日間にわたって観察してみた。
最初に密着したのは、前述した誰でも入れる椅子&電源付パウダールーム。
・ スマホの充電をしながら化粧直しする女子
・ スマホを延々と操作し続ける女子
・ 持参のコテで髪を巻いたり前髪を整えたりする女子
などがスペースを占拠していた。20~30代のOLさんと思われる人たちだ。ある水曜日の夜7時前には、コテで髪を巻く巻き髪女子が3名も! スマホ+コテと、1人で電源コンセントを2口使うツワモノもいた。
男性陣に補足説明しておくと、そこで化粧直しする女性たちは、大半が“やり直し”レベルだ。下地、リキッドファンデーション、そしてお粉。アイラインを目の下にも引き、ビューラーでマスカラをつけ、アイシャドウをはたく人もいれば、ネイルセットを持ち込み、ネイルアートを直す人さえもいる。
オフィス向けの清楚で控えめなメイクから、ここで一気に変身するというわけだ。いわば、肉食化の館。
当然滞在時間は長く、30分以上はザラだ。化粧直しがひと段落ついたら、お水を汲んで喉を潤し、仕上げにリップグロスを塗って完成。いざ出陣だ。このあと、受けて立つ男性はまさかその女性がこんなことをしていたとはとても想像できないだろう。
一方、カード入室型パウダールームで過ごすパウ活女子は、どんなことをしているのか。
あるアラサー女子2人組は、ソファに腰をおろすと、おもむろにカバンの中から菓子パンを取り出し一目をはばからずパクついている。時刻は夕方6時半。食事前の時間だが、待ちきれず小腹を満たしているのだろうか。
聞けば、「本当は総菜パンを食べたいけれど、(閉ざされた空間の)パウダールームではにおいがしてしまうので……」クリームパンをコンビニで買ってきたという。マナー意識があるんだか、ないんだか。これから、合コンにでかけるらしい。