営業――トップセールスに必要な「人間力」を培う
■正しく生きるための基本
『10代のための人間学』
森信三/致知出版社
著者は神戸大学教授などを務めた教育学者。人間として正しい生き方とは何か、生涯をかけて著者が追求してきた答えが、本書に集約されている。たとえば「挨拶をきちんとする」「必ず返事をする」「脱いだ履物を揃える」ことが、“躾の3カ条”だと述べられている。ところが、ふだん実践できている人が、どれだけいるのだろうか。当たり前のことをきちんと行うのは難しい。そのことを気づかせてくれる。中学・高校生向けに書かれた本だが、営業マンだけでなくすべての大人にとっても人生のバイブルになりうる。
■セールスに通じる“利他の心”
『生き方』
稲盛和夫/サンマーク出版
京セラグループを創設し、実業家として一世を風靡した著者がたどり着いた経営の神髄は利他の心。「誰しも儲けたいという欲はあってもいいが、人にもよかれという“大欲”をもって公益を図ること。その利他の精神が巡りめぐって自分にも利をもたらす」と説く。顧客の心をつかむには、まず顧客に尽くすことが必要で、営業にも通ずる。本書には、営業の奥義が示されている。
■考え方次第で凄腕になれる
『大物になる頭の使い方』
見山敏/三笠書房
札付きの不良だった高校生が卒業するとき、校長がいった。「おまえは大物になれる。だから自信を持て」。不良は改心し、大企業の社長になった──。たった一言でも人生は変わる。プロローグに書かれたこのエピソードに引き込まれ、朝倉さんはすぐに著者を訪ねた。物事の見方、考え方をどうすればいいか、営業マンを含めたビジネスマンがよく生きるための知恵が満載されている。
(野澤正毅=構成)