仕事の専門分野でなくても、一流のビジネスマンになるために学んでおきたいことがある。
各界の第一人者たちが長く読み継がれる入門書を厳選してくれた。
自分の会社の決算書を読み、得意先の経営状態を判断するためにも、会計の基礎ぐらいは理解しておきたい。そのためには、入門書の選び方が大切になってくる。なぜなら、簿記や財務諸表の勉強は入り口でつまずくからだ。そうなると、せっかくの意欲も消え失せてしまう。
その意味で『世界一感動する会計の本です』と拙書『世界一わかりやすい財務諸表の授業』の2冊は、わかりやすさを最優先させた初心者向けの本である。前者は童話風の物語を読みながら「仕訳」の意味を知り、簿記のコツを掴める。私の本は、簿記の知識なしに、貸借対照表と損益計算書を作っていくことで、財務諸表の仕組みがわかるようにした。
初心者向けの本を無事読破したら、会計のスキルだけでなく、その本質も学んでほしい。そのための一冊が『稲盛和夫の実学』。利益を“儲け”と呼ぶ経営者の現場感覚を生かしながら、「売り上げを最大に、経費を最小に」といった経営の要諦まで教えてくれる。
同時に、名経営者ならではの経営哲学も随所で語られている。だから私は、この本はビジネスマンにとって、会計を学ぶ際の定番の書であるのはもちろんのこと、何か壁に直面したときに開く本としてもお勧めしている。