仕事の専門分野でなくても、一流のビジネスマンになるために学んでおきたいことがある。各界の第一人者たちが長く読み継がれる入門書を厳選してくれた。

スキルと違って自ら磨くしかない経営センス

一橋大学大学院教授 楠木 建氏 ●1964年、東京都生まれ。一橋大学商学部助教授、同イノベーション研究センター助教授などを経て、2010年より現職。著書に『ストーリーとしての競争戦略』など。

経営を勉強するといっても間口は広い。実は「経営学」という言葉に対応する英語はない。しいていうなら、「Manage ment Studies」という複数形になる。経済活動から会計、マーケティング、人材マネジメントなど、幅広い領域にまたがって勉強しなくてはならないからだ。

企業の各部門の担当者を念頭に置けば、日常の仕事に生かせる実務的な専門スキルの習得がまずは大切だ。個別分野のスキル一つひとつを足し算していくことで、経営知識を獲得できる。その意味で『はじめての経営学』は、経営分野を一通り俯瞰することができる好著といえよう。