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消費増税:小売各社が再び値付け問題に直面
13年8月10日、消費増税法(消費税率引き上げ法を含む社会保障と税の一体改革に関連する法律)が、参議院本会議で可決・成立した。これで、現在5%の税率が2014年4月1日から8%に、15年10月1日から10%に、それぞれアップすることになる。
1989年の消費税導入時、97年の税率アップ時には、いずれも駆け込み需要が発生している。今回は経済への悪影響を緩和するために2段階に分けて上げられることになっており、駆け込み需要という意味ではこれまでより弱くはなりそうだが、住宅、家具など高額商品では一時的な需要増が予想される。在庫の積み増しを図って機会損失を防ぐとともに、増税後の反動減の時期に不要な在庫を抱えないよう売り切ることが大切だ。
税率アップで生じるのが、値付け問題である。
消費税は04年に外税表示(税抜き価格の表示)から内税表示(税込み価格の表示)に変わったが、ユニクロで知られるファーストリテイリングなどはあえて価格表示の変更を行わず、衣料品を中心に表示価格維持=実質5%の価格ダウンという流れが生まれた。
今回は内税表示が義務づけられてから初めての消費税率アップとなる。内閣府や公正取引委員会では、税率変更に従って価格を変更することを奨励しているが、実際にどのように値付けをするかは経営判断だ。
3%程度の税率アップであれば、現行価格を維持する小売企業も多いと見られるが、2段目の増税でも同じ価格を維持できるかどうかは不明だ。各企業がどのような価格戦略を採るかが注目されている。