道内私立校の巻き返しが始まった

北海道は公立の進学実績が高く、6位以下は札幌開成、旭川東、帯広柏葉、岩見沢東、札幌第一となり、上位10校中、札幌第一を除く9校が公立高だ。ただ、近年は私立校の合格実績の伸びも著しく、ベスト20に入る学校は12年の1校から昨年は3校になり、今春は札幌第一、北嶺、札幌光星、立命館慶祥、札幌日本大学と道内の私立校が5校に増えた。いずれも前年の合格者数を上回っている。

道内の私立校で注目されるのは、11位の北嶺。卒業生が115人と小規模ながら26人の合格者を出し、その内、9人が医学部(医学科)だ。同校は東京大18人、慶應義塾大16人、早稲田大24人など首都圏の難関大にも高い合格実績を残している。同校関係者はこう話す。

「生徒の視野を広げるために、東大や一橋大など東京の難関大訪問を行っています。その際、各分野で働く難関大を卒業したOBと座談会を行っています。金融や商社など幅広い分野で活躍するOBと接することで職業感が広がることが、首都圏の難関大合格者増につながりました」

受験生の地元志向が強まる中、北海道大は合格者数ベスト20位中、14位に新潟、15位に愛知の東海が入る全国型の大学だ。旧帝大の東北大や名古屋大、大阪大、九州大と比べると、総合格者に対する地元高校の割合が低い。北海道大関係者は言う。

「北の大地に憧れる受験生は昔から多く、地元志向が言われる中でも日本全国から学生が集まってきます」

札幌北や札幌東など、道内の実績校で合格者を減らす学校が目立つ一方、道外の北海道大に10人以上合格者がいた15校の内、合格者が減っているのは2校のみだ。前出の新潟と東海はともに前年の合格者数を8人上回り、ベスト20位外では埼玉の川越が4人→13人、大阪の高槻が2人→10人など合格者が大幅に増えている学校もある。景気の回復とともにこうした流れが強まると、道内の進学校の合格者数は更に減少する可能性もありそうだ。

(宇佐見利明=撮影)
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