白子も少しなら大丈夫!?

オスロでたまたま出会った日本人ツーリストから、まだ観光地化されていないけど日本の旅行会社が眼をつけていて、いずれメジャーになる、と教えられ、それなら先取りで、と行ったのがグドヴァンゲンである。

鉄道列車の車窓からは森林、氷河、滝などいかにもスカンジナビアな絶景が眺望できて、なるほど人気になりそうな、と予感された。ベルゲンの手前を北へ折れた先の港町がグドヴァンゲンで、ここから観光船でフィヨルドを眺めながらフロムという港町で下船するというルートであった。

そんな港町の大衆食堂で出されたのが、ルーテフィスクで、北欧風鱈の煮こごり、という印象をもった。ナマコも干して戻して煮ると、ぷるんぷるんの食感になるように、鱈も干して戻すとこうなるのか、などと感心した。

鱈は、100gにつき77~79kcalと、低カロリー食材の部類に入る。ただし、プリン体含有量について私は正確な数値をあえて把握しようとしていないので、わからない。が、どうやら、鰹に次ぐ位置にあるらしい。

大量に食べると、痛風にはよくないのであろうが、鱈は100gでも、けっこう満腹感を味わえるほどの量になる。

鱈の白子は、プリン体の宝庫である。白子は精巣で、DNAがぎっしり詰まっているのだから、当然だ。

北海道では真鱈の白子を「マダチ」と呼び、明白に区別するが、他所の地域では、さほどでもないようだ。スケトウ鱈の白子は、加熱すると硬くなり、さかな臭くなる。ところが、マダチは加熱しても、なぜかとろりと柔らかく、臭みもない。

マダチも大量に食せば痛風発作につながるだろうが、チョコッとつまむ程度であれば、問題ない。などと、不穏な囁きで不安をごまかし、冷凍庫でとろとろにしたアクアビットに、湯びきしたマダチへ酢橘を数滴たらし、とろり、とろりと酔いをたのしむ夜寒である。

(佐久間奏=イラストレーション)
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