企業が大きな失敗を犯す原因はリーダーシップの欠如や戦略の過ちだけではない。むしろ、企業の成功がもたらす慢心が硬直性や閉鎖性をもたらすことによる失敗のほうが多いということを、マネジャーや経営者は肝に銘じるべきである。

企業が大きな失敗をしたとき、事後の分析では、いくつかのよくある原因に焦点があてられがちだ。「経営陣があまり賢明ではなかった」「経営陣のリーダーシップが足りなかった」「経営陣が強欲すぎた」、あるいは「経営陣が予想不可能な事態にぐったりした」「この会社は戦略を実行できなかっただけだ」等である。

しかし、ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネスのシドニー・フィンケルスタイン教授によれば、これらの説明は皆、的をはずれている。企業の大きな失敗の根本原因はほとんどの場合、なんらかの能力の欠如ではなく、その企業のエクセレンス(卓越性)にある。成功にともなう自信は硬直化し、その会社がまるでゾンビのように見えるほど極端な閉鎖性に変わることがあると、フィンケルスタインは言う。つまり「屍《しかばね》と化しているのに、まだそのことに気づいていない会社」になるわけだ。