昨年度、19年ぶりに過去最高の売上高を更新した家庭用アイスクリーム。絶好調市場に、今何が起きているのか。
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拡大中!「大人アイス」の消費シーン

「97.7%」という驚異的な数字がある。「アイスクリームが好き」と答えた日本人の割合だ(2010年「日本アイスクリーム協会」調べ)。

「昔は『子どものおやつ』だったのが、近年は潮流が変わり『大人向けデザート』となりました」(アイスクリームプレス社長・二村英彰さん)。

多くの関係者がこう指摘するアイス市場は、13年度は4330億円に伸長。記録的な猛暑で需要が伸びた1994年の数字(4296億円)を塗り替えた。

右肩上がりが続く理由は、各メーカーや流通の仕掛けた販売戦略が成功して話題性も拡大、アイスに対する消費者意識が変わったことが大きい。

「アイスクリーム白書」によると、20代の女性では「朝にアイス」を食べる人が4割もいて、20代・30代男性は「風呂上がり」に食べたいものとしてビールよりもアイスを選んだ。4割の人がオフィスでもアイスを食べると回答。アイスとともに育った団塊世代以降の中高年にもアイス好きは多い。

またエアコンの普及で冬場の需要も伸びている。より詳しく見ると、好調の理由としていくつかのキーワードが挙げられる。