バッテリー残量警告に肝を冷やす。
首都高速道路を76km走り、埼玉の与野出口を通過した時点での平均電力消費量は、1kWhあたり9kmであった。以後、国道17号線を高崎へ。EVは一般に高速道路では空気抵抗の影響がガソリン車より大きく、電力消費率が悪化する傾向にあると言われるが、リーフは巡航速度がそれほど速くない首都高速道路では十分に高いエネルギー効率で走る能力を持ち合わせていると言える。
速度が低く、信号もそれほど多くない郊外の一般道では電力消費率を伸ばせるかと思ったが、リザルトは首都高速道路とほとんど同じであった。関越自動車道高崎インターチェンジ近くの日産プリンス群馬販売前橋店に到着した時点での走行距離は164.3km、平均電力消費率は9.1kWh。
日産グローバル本社を出発するときに179kmだった航続距離表示の範囲内で辿り着くことができたが、バッテリー残量が少なくなった時は結構な緊張感を覚えた。後続残が残り30km台前半となったあたりで、音声とインパネ内の文字情報で残量が少なくなったむねの警告が出る。その時点では残り航続距離と目的地までの距離を見比べ、十分にたどり着けるだろうと余裕しゃくしゃくだった。
さらに走り続けると、今度は後続残メーターが「---km」という表示になり、あとどのくらい走れるのかわからなくなる。この時はまだ、バッテリー残量をパーセンテージで見られることを知らなかったため、目的地までの電力はちゃんと残っていると思っていても、「携帯電話みたいに残り1目盛りから急にバッテリー切れみたいになったりしないか」などと連想すると、ちょっとドキドキものであった。
結果的には無事に辿り着くことができた。この時の電池残量は9%。もちろん後続残ゼロになってからも短距離なら走れるだけのマージンはあるのだが、満充電から1kWhあたり9kmの電力消費率で走った場合、160km程度が実用範囲とみたほうがいいだろう。多少心臓に悪い行為ではあったが、限界を知ったことで、後のドライブプランを俄然立てやすくなった。
到着時刻は22時40分。ディーラーはもちろん閉店しているが、真っ暗なディーラーの隅に「EV QUICK」の電光板が。そこが急速充電器のありかだ。ボンネット先端の急速充電口のフラップを開け、プラグをソケットに差し込む。急速充電器CHAdeMO(チャデモ)のプラグは、デビュー直後は差し込みが固くて実に使いづらかったのだが、現在ではかなり改善されていた。太いコードが少々重いが、セルフ給油ができる程度の力があれば何とか使えるレベルであった。