コンタクトセンターを“プロフィットセンター”に

Arcstar Contact Centerの導入モデルとして、次のようなことがあると安藤氏は説明する。

顧客の技術サポート業務を行うコンタクトセンターで、(1)問題解決までに手間と時間がかかる、(2)一次回答率が低く、複数回のやり取りが発生して顧客が不満を感じている――といった課題があったとする。

Arcstar Contact CenterはCRMと社内データベースの連携で顧客情報をオペレーターが共有する仕組みを備えているため、顧客をたらい回しにして同じ質問を繰り返させる必要がない。また、顧客の質問に答えるのに適切なオペレーターを自動選択するため、一次回答率が高くなる。

これらによって顧客満足が向上するだけでなく、コンタクトセンター業務の稼働率も改善される。

また、別の導入モデルとして、通信販売を行うコンタクトセンターで、(1)効率的な電話発信をしたい、(2)既存顧客のデータを有効活用して効果的なダイレクトマーケティング(アウトバウンドコール)を行いたい――といったニーズがあるとする。

Arcstar Contact Centerは自動発信が可能なだけでなく、顧客が応答したときだけオペレーターに接続されるようになるので効率的なダイレクトマーケティングが可能となる。また、顧客データベースと電話発信結果で顧客ニーズを的確に把握し、販売戦略に活用することもできるようになる。

これらによって、効果的な販売促進を行えることに加え、顧客満足度も向上させることができるのである。

直接的に利益を生み出す組織ではないことから、「コンタクトセンターは“コストセンター”」などと揶揄されることがある。

「コンタクトセンターは顧客との接点であり、顧客データベースを作成できるポジションにある」と安藤氏は話す。顧客データベースをCRMソリューションと連携させることで、顧客ニーズを的確に捉え、顧客満足度を向上させることができるのだ。

例えば、顧客からのコンタクトを待つだけでなく、コンタクトセンターから積極的に顧客へ接触し、自社のサービスや商品をアピールするダイレクトマーケティングを行うこともできる。

「コンタクトセンターをうまく活用すれば、利益を生み出す“プロフィットセンター”になりうる」(安藤氏)。

企業のITシステムにおいて、クラウド化の動きは進んでいる。オンプレミス型でないと難しいシステムはあるものの、新しいシステムを導入する際、クラウドをファーストチョイスするケースは増加している。コンタクトセンターにおいてもその動きは加速しており、今後、Arcstar Contact Centerをはじめとするクラウド型コンタクトセンターを導入する企業が増えていくものと考えられる。

(熊谷武二=撮影)
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