マイドームおおさか(大阪市中央区)でリックテレコム主催の「コールセンター/CRM デモ&コンファレンス 2014 in 大阪」が開催された(2014年6月11日~12日)。各企業によるブース出展のほかに、複数の企業によるワークショップも行われた。なかでもクラウド型コンタクトセンターを紹介したNTTコミュニケーションズのワークショップでは「コンタクトセンターは費用がかかるだけの“コストセンター”ではなく、利益を生み出す“プロフィットセンター”だ」と提案した。

導入コストが高く柔軟性の低いオンプレミス型

一般的に電話による顧客対応を行う組織を“コールセンター”と呼ぶのに対し、“コンタクトセンター”は電話のほかにもWebサイトやメールなどマルチチャネルに対応するものだとされている。

NTTコミュニケーションズのクラウド型コンタクトセンターサービスに注目が集まった。

NTTコミュニケーションズ(NTT Com)のワークショップで紹介されたのは後者であり、しかも通信キャリアが提供するクラウド型サービスという点に観衆の注目が集まった。

ワークショップでは、NTT Com ボイス&ビデオ コミュニケーションサービス部 販売推進部門 コンタクトセンタソリューション担当 担当課長の安藤彰敏氏が演台に立ち、同社のクラウド型コンタクトセンターサービス「Arcstar Contact Center(アークスターコンタクトセンター)を紹介した。

従来のコンタクトセンターは、それを必要とする企業が社内に設置したり、コンタクトセンター機能を請け負うアウトソーサーに業務委託したりすることによって運営されてきた。

企業がコンタクトセンターを設置する場合、PBX(構内交換機)をはじめとするIT機器を用意する必要があり、多大な導入コストが必要となる。なお、企業がIT機器を導入し、自社で設置するコンタクトセンターは“オンプレミス型”と呼ばれる。

オンプレミス型のコンタクトセンターには、自社の用途に合わせた機能を装備できるなどといったメリットがあるが、デメリットもある。

「例えば、需要の多い時期に合わせてオペレーターの席数を用意する必要があり、需要の少ない時期には余分な資産となってしまう」と安藤氏は話す。

また、IT機器の導入後の機能追加には工事が必要となるため、導入時に将来を見越した機能を把握しなければならない。新たに拠点を追加する場合、中央となる拠点のネットワーク回線設計の変更や工事も必要であり、そのためのコストもかかる。さらに、一度設置したコンタクトセンター用のIT機器は減価償却するまで使い続けなればならない。