スピード構築や短期利用も可能なクラウド型
これに対してクラウド型のコンタクトセンターは、需要に合わせてオペレーターの席数の増減が可能であり、必要とする機能をオプションとして追加できる。また、新たに拠点を追加する場合も中央となる拠点のネットワーク回線設定の変更や工事の必要はなく、柔軟なコンタクトセンター運営が行える。
「3カ月間だけ使うなどといった短期利用にも対応し、素早くコンタクトセンターを設置できるメリットもある」(安藤氏)。必要とされるIT機器はクラウド上にあるため、BCP(事業継続計画)の面でも利用価値が高い。
なかでもArcstar Contact Centerは通信キャリアであるNTT Comのサービスのため、ネットワーク回線から拠点工事までがワンストップで提供される。また、強固なセキュリティと24時間365日の監視体制も整えられている。フリーダイヤルやナビダイヤルと組み合わせて利用することも可能だ。
NTT Comはグローバルネットワークを保有しており、今後、Arcstar Contact Centerでもそれを活用できるようにする方針を固めている。グローバルネットワークを活用することで、オペレーターの人件費が安い国にコンタクトセンターを設置し、コストを抑えることができる。
「日本国内だけでなく、海外でのビジネス展開を進めていく上でも、海外拠点にコンタクトセンターを設置し、運用していくことも容易にできるようになる」と安藤氏は言う。
そのほかにもNTT ComはArcstar Contact Centerと関連するソリューションとして、PCやスマートフォンのWebサイト上で、キャラクターが人になり変わって顧客の質問に応える「バーチャルアシスタント」や、音声をテキスト化する「音声認識ソリューション」、テキストデータを分析してその後の顧客対応に生かせる「マイニングソリューション」、Twitter上のつぶやきをリアルタイムに監視・レポートしたり、Twitter上で顧客とコミュニケーションが取れたりする「ソーシャルCRM(顧客管理)ソリューション」などといった機能も用意している。
なお、クラウド型コンタクトセンターのデメリットとしては、オンプレミス型に比べて企業独自の機能を装備しにくい、カスタマイズしにくいといったことが挙げられる。