そのうえで聖域にも手を付ける。教育費の見直しである。まずは「子供に対する情報開示が必要」と畠中氏は言う。
「詳しい家計の状況まで教える必要はないけれど、あなたにかけられる教育費はここまでという説明をしておくべき。それ以上の学費がかかる学校を目指すのなら奨学金を取らせる。そして奨学金は自分で返済することと釘を刺しておく」
ところが親心が過ぎるのか、「ぎりぎりまでお金のことは心配しなくていい、と言っておいて受験直前に奨学金の話をする親が多い。大学受験なら高校2年までには話し合って教育資金の上限を決めておくべきです」。
13年度税制改正で「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が決まり、祖父母が孫やひ孫に教育資金を贈与する場合は、1人1500万円まで非課税(15年12月31日までの期間限定)になる仕組みができた。最大限利用したいところだが「教育資金として1500万円贈与できる祖父母はそういません。また無理に贈与して祖父母の生活が立ちゆかなくなっても困ります」(畠中氏)。
アベノミクスによって起こるインフレと増税の時代には固定費を削り、聖域だった教育費にも手を付ける。その方法でしか、家計は守れない。