[おばんざい] 山ふく

――手間ひまかけたおいしさが じわじわと染みてくる

出汁にこだわった自慢のおでんは化学調味料を排除した逸品。「ここ(葉山)では生ものは他店にはかないませんから、手間ひまをかけるしかありません」と店主の山西道広さん。精選の日本酒は夏でも燗で楽しめる。5つのテーブル席の距離感がほどよく親戚の家に遊びにきたような気持ちになり、自然と客同士の会話も弾む。

●神奈川県三浦郡葉山町堀内1005-31 TEL/046-875-8158 営業時間/17:00~22:00 月曜休(月曜が祝日の場合は火曜) 20席 カード不可

絶品のおばんざい目当てに週末はいつもいっぱいだ。

1.看板料理である「おでん盛り合わせ」(800円)。昆布、鰹節、塩だけの出汁が深い味わい。タネは煮込みすぎずちょうどいい塩梅で、日本酒が進む。
 2.「生玉つきつくね」(600円)。鶏肉に少々の豚肉をブレンドすることで滋味とコクが深まる。おでんの人気ダネ、ロールキャベツにもこの肉を使用。
 3.宮本さん絶賛の「牛すじ煮込み」(700円)。国産牛のすじ肉を使用。下準備、煮込みに時間をかけ、驚くほどさっぱりと洗練された味わい。
 4.「手羽から揚げ」(700円)は大ぶりの手羽を丁寧に揚げたもの。表面はサクッと、中身はジューシー。ビールにぴったりだ。

[カフェ&デリ/オイスターレストラン] Fiji

――うまい牡蠣と地元食材を手に、 イケメンがお出迎え

2009年11月オープン。日本各地から最も旬の牡蠣を取り寄せる。地元出身のイケメン同級生コンビ、田中正敏オーナー、一之瀬敬チーフ(ともに26歳)のもてなしは心が和む。

●神奈川県三浦郡葉山町一色925-1 ビッグハレア1F TEL/046-876-1661 営業時間/11:00~15:00(14:30LO)、18:00~23:00(22:00LO) 木曜休 カウンター6席、テーブル12席 カード各種 なるべく予約を

1.「本日の一番牡蠣」。この日は宮城産真牡蠣「雄勝」(1ピース400円)。選りすぐりの牡蠣は滋養横溢。お勧めの白ワインがピタリ合う。
 2.柔らかく香り高い「砂肝のハーブマリネのコンフィ」(700円)。ローズマリー、タイムなどで一晩マリネした砂肝を3時間じっくりとコンフィし、さらに一晩寝かせた逸品。
 3.人気の「牡蠣とムール貝の焼きリゾット」(1200円)。魚介の出汁を吸った米がうまい。玄米を使うことで歯応えを残している。
 4.「クスクスと蒸し野菜のサラダ」(1000円)はお値打ちだ。ダイコン、ニンジン、ラディッシュ、ジャンボにんにくの芽など、地元産野菜をふんだんに使用している。

(構成・文=須藤靖貴 撮影=古市和義)