軽油44.1%、電気1.4%
では、怒りの正体はどこにあるのか。数字が答えている。
フランス国立統計経済研究所(INSEE)が10月15日に公表した9月の消費者物価統計で、総合は前年同月比3.1%の上昇だった。8月の2.4%から加速し、3年近くで最も高い水準である。
注目すべきは内訳のほうだ。エネルギーが21.3%上がっている。さらに細かく見ると、石油製品が36.2%、ガソリンが25.7%、そして軽油は44.1%の上昇である。灯油などの液体燃料にいたっては64.6%上がった。
一方で、電気は1.4%にとどまっている。食品は1.4%、工業製品にいたっては0.3%の下落である。
この対比が、負担の形を示している。総合3.1%という数字だけを見れば、制御できている範囲に見える。しかし平均の裏側で、避けられない支出だけが跳ね上がっている。とりわけ強い打撃を受けるのは、車に燃料を入れなければ通勤も買い物もできない人たちである。公共交通が乏しい地域ほど、この差は重くのしかかる。2018年に「黄色いベスト」運動が燃料税をきっかけに始まったのも、同じ地理の上でのことだった。
貧困率は1996年以降で最も高い
もう一つ、長期の数字がある。INSEEが今年7月9日に公表した調査では、2024年の貧困率は15.4%、人数にして980万人だった。基準は月1337ユーロである。この水準は1996年以降で最も高く、2023年も同じ水準だった。世界有数の富裕国で、巨大な社会保障制度を持つ国の数字である。
そして政府には、大規模な給付で抗議を鎮める余地が乏しい。2026年の財政赤字はGDP比5.4%の見込みで、政府は2027年に5.0%へ縮小する方針を掲げ、10月1日に約540億ユーロの歳出削減を含む予算案を示した。公的債務はGDP比で約119%、来年には120%を超える見通しである。そして少数与党は、その予算案を通せずにいる。

