「神」の実像が明らかに
JE社を傘下に抱える刀も24年11月期、25年6月期(決算期変更で7カ月の短期決算)と連続して赤字を計上し、負債総額は67億円に上る。西武ゆうえんちのリニューアルは不首尾に終わり、西武ホールディングスの後藤高志会長を激怒させる始末。トリドールホールディングスとのプロジェクトも頓挫して、イマーシブ・フォート東京はもはや存在しない。神と崇められた森岡氏の実像が次第に明らかとなり、刀への出資に関する川﨑社長の判断の根拠は完全に崩壊した。
「刀とジャングリアの件でCJ機構が新たに80億円の実現損を計上することになれば、経産省はこれ以上機構を守ることなどできなくなります。今の機構は540億円の累積損失を抱え、いわばまな板の上の鯉の状態。これに加えて80億円の損失確定となれば、機構同様に財投資金を元手にしている沖縄公庫にも問題が飛び火します」(同機構元幹部)
片山財務相に巨額損失は他人事
ところでCJ機構の統廃合をめぐってはこのところ、同機構の出資の原資となる財政投融資特別会計を主管する財務省の片山さつき大臣が、「(同機構の廃止は)立派な判断だと思う」などと発言している。これについて経産省の課長経験者が眉をひそめて話す。
「財務省はCJ機構発足当初から常駐の役員を出向させています。彼らは毎日出勤し、投資戦略会議や開拓委員会などの重要な会議には必ず陪席します。それに財務省が主催する財政審議会では毎年秋、機構の翌年度予算を審議した上で、これにゴーサインを出しているのです。つまり同省計画官は大きな個別案件は知っていた。CJ機構の問題は財務省の問題でもあるのです。同省は、過去二度にわたって機構の収益見通しの下方修正を認めているにもかかわらず、片山大臣は機構の累積損失問題が脚光を浴びると、責任をすべて経産省に押し付けて、他人事のような顔をしています。それはおかしいのではないでしょうか」
ただ、CJ機構を検証する有識者会議の土居丈朗座長(慶應義塾大経済学部教授)は、財務総合政策研究所で主任研究官として勤務し、財政制度等審議会財政投融資分科会では長期にわたって委員を務めるなど、財務省とは極めて近い関係とされている。同機構など官民ファンドの予算を審議するのはこの分科会で、それだけに同座長は同機構のこれまでの経緯を熟知した存在と言える。大手紙の経済部記者によると、経産省や同機構は「土居座長は片山大臣の発言に合わせた方向性を打ち出すのでは」と疑心暗鬼になっているという。

