美ら海水族館の“半分”で採算が取れるはずが…
ところが総事業費約700億円を集めて25年7月に賑々しくスタートしたジャングリア沖縄は、開園からわずか1年余りで存亡の危機に立たされている。
今帰仁村と名護市にまたがる約60ヘクタールの敷地に建設され、やんばるの自然を生かした体験型アトラクションやスパが売りの大型リゾートは、併設のスパを含めた1年間の来場者数が約100万人、売上高は100億円を超えた。JE社は当初、来場者数が年間約300万人を数える沖縄美ら海水族館の半分程度でも採算が取れると踏んでいた。
ところが蓋を開けてみると、アトラクションの長い待ち時間や暑さ対策などへの不満が噴出、SNS上でマイナスイメージが一気に拡散する。JE社の資金繰りは今年に入って逼迫するようになり、融資銀行団は来場者数の当初見込みを大幅に下方修正するなどした新事業計画を同社に作成させた上で、4月末に20億円を追加融資した。
100億円の売り上げはどこに?
だが、来場者数はその後も低調に推移。関係者によると、かき入れ時の7月の夏休み以降の一日平均来場者数は1500~2000人と、下方修正された損益分岐点の2400人さえ大幅に下回ったという。8月は毎週のように台風に襲われ、同月上旬に台風13号が通過した際は、売り物の巨大気球「ホライゾン バルーン」が損傷して当面の運航を見合わせる事態に陥った。
そのため4月に追加融資を受けたはずのJE社に、早くも10月上旬には資金ショートの恐れが浮上。同社は9月4日、入場者数の損益分岐点を一日1700人に引き下げるなどした新たな事業計画を主要行に提示した上で、30億円のつなぎ融資を要請した。そして結果的には政府系の沖縄公庫が単独でこれに応じることとなったが、融資銀行団は現在、刀に代わるJE社のスポンサーを模索中で、ジャングリア沖縄の運営に関心を示した内外の十社近い候補先と交渉している。JE社はこれまでの経緯から大和証券にも追加出資を求めたものの、断られたという。
前述した通り、JE社の持ち株会社「ジャパンエンターテイメントホールディングス」は26年6月期に約173億円の最終赤字を計上、JE社単独では同89億円の最終赤字となった。年間100億円超の売り上げは一体どこに消えてしまったか。
