スマホを取り返そうとして命を落とした日本人
Q もしスマホを奪われたら、どうしたらいい?
A 追いかけて命を落とした事例が複数ある。諦めて遠隔ロックを!
通信デバイスは、現代生活における「生命線」である。業務上の連絡や日常の連絡だけでなく、日常的な買い物、Uberなどの配車サービスの利用、すべてスマホを介して行われる。外務省が配信するリスク情報なども、LINEなどのアプリで届けられるから、安全にも直結する。
なにより、プライベートな写真、オーセンティケータなどによる認証、スラックなどの会社内の連絡アプリなど、重要な情報が入っているはずだ。個人情報が漏れるかもしれないし、会社に関係する情報が漏れるかもしれない。などと考えていると、スマホが街頭でひったくられたりしたとき、とっさに奪い返そうとしてしまうのが人情というものだが、これは絶対にやってはいけない。情報より大事な生命を失ってしまうことがあるからだ。
2023年夏にウガンダの首都カンパラで、日本人の会社員がスマホを奪われ、取り返そうとしたところを複数人に暴行され、亡くなってしまう事件が起きた。駐車中の車のなかで、窓を少し開けてスマホを操作していたら、手を突っ込まれて奪われてしまったらしい。
スマホは道具、命と引き換えにしないで
2016年11月にも、コロンビア西部の都市メデジンで、20代の日本人男性が路上で射殺されたが、これも同様だ。携帯電話とタブレット型の端末を奪われ、犯人を追いかけたところを銃で撃たれ、まもなく死亡した。
外務省なども頻繁に注意喚起しているはずなのだが、どうしてもこういった悲劇が起きる。わたしが企業での研修などでこういった話をすると、なかには、「わたしも奪われたことがありますけれど、走って取り返しましたよ」などという武勇伝を語る人までいる。それは、たまたまあなたが無事だったのであって、もうちょっと逃げた先には、犯罪者の仲間が銃を持って待っていたかもしれないんですよ、と言うようにしている。
スマホは高価かもしれないが、しょせん道具だ。命と引き換えにしてはいけない。大事な情報はバックアップしておけばよい。盗み見されたら困るようなら、リモートワイプ=紛失や盗難時にインターネット経由でデバイス内のデータを削除するセキュリティ機能を利用できるようにしておくべきだ。「ヤバい!」と思って取り戻しに行くと、生死にかかわりかねない、ということは重々、意識していただきたい。
<スマホは道具にすぎない。奪われたら追わず、すぐ遠隔ロックと警察への連絡を優先する。>

