3冠王でも届かない
プロでは3年目の1999年から中軸を任され、2004年には平成唯一の3冠王(打率.358、44本塁打、120打点)になった。首位打者2度、本塁打王2度、打点王3度、MVP2度獲得。通算1767安打、352本塁打、1168打点、打率.296と、21世紀初頭を代表する最強打者といっても過言ではない。
しかし、2021年に殿堂入り資格を得てからの得票数は61(17.0%)、2022年46(12.7%)、2023年75(21.1%)、2024年70(19.8%)、2025年72(20.6%)、そして2026年は100(29.3%)と、小笠原より得票数は多いが、75%には届かない。
NPBで3冠王を記録したのは中島治康(巨人、1938年秋)、野村克也(南海、1965年)、王貞治(巨人、1973、1974年)、落合博満(ロッテ、1982、1985、1986年)、ブーマー(阪急、1984年)、バース(阪神、1985、1986年)、松中信彦(ダイエー、2004年)、村上宗隆(ヤクルト、2022年)、そして佐藤輝明(阪神、2026年)の9人しかいない。現役選手を除けば、3冠王で殿堂入りしていないのはブーマーと松中だけだ。
名球会との明確な違い
日本の野球殿堂表彰は1959年からはじまった。当初は野球界の興隆に貢献した野球人の顕彰が中心だったが、1965年に川上哲治(通算2351安打)が表彰されて以降、プロ野球で偉大な記録を残した野球人が名を連ねるようになった。
野球殿堂入りは、運動記者クラブに所属する記者を中心とした表彰委員の投票によって決まる。明確な数字の目安はなく、その時々の表彰委員の判断による。
一方で、1978年に400勝の大投手、金田正一を中心に「日本プロ野球名球会(名球会)」が設立された。こちらの入会資格はプロ野球で200勝、2000安打と明確だ(のちに日米通算でも可となる。また250セーブも追加。2019年からは数字を満たしていなくても特例枠として会員になることができるようになった)。
以後のプロ野球選手にとって200勝、2000安打は、「名球会」さらには「野球殿堂入り」に向けた具体的な目標として意識されるようになった。

