フェイク時代のナラティヴ
二回目の大統領選に出馬したドナルド・トランプが選挙戦の最中、「移民が隣人のペットを食べている」などという発言をして批判されたが、意識的にせよ無意識的にせよ、トランプはナラティヴの力を最大限に活用して選挙戦を戦った。具体的なストーリーを伴う、個々人から語られる経験に基づいたナラティヴは、人々に想像力を喚起させる。それは時に人々の連帯を育み、時に人々の悪意や憎悪をたきつける。
フェイクニュースが溢れる時代において、ナラティヴが持つ力や意義をエビデンスに対比させるにあたっては、こうした事情を鑑みる必要がある。
フェイクに彩られたナラティヴを我々は簡単に受け入れるわけにはいかない。だが、参政党の例を見ればわかるように、「エビデンス」を掲げる勢力もまた、そこに嘘を織り交ぜている時がある。ナラティヴもエビデンスも簡単に信用してはならない……いかにもありきたりな結論だが、我々はナラティヴとエビデンスを駆使して他者を意のままに操ろうとする力に囲まれていることを、認識しておくに越したことはなさそうだ。
検索時にプレジデントオンラインに関連する記事が表示されます

