自分で環境をコントロールできるという感覚
現代人にとって、特に大事と思われるのが、自己コントロール感だ。何しろ現代の生活は、自分で制御できないモノだらけだ。
アナログな道具が中心だった頃と違い、コンピュータが使われる家電などの機械類は自分で修理するのが難しい。同時に、料理や裁縫などのアナログ技術も、できない人が増えた。パソコンやスマホなどのIT機器は、アップデートするタイミングも内容もコントロールできないし、ITが苦手でも、そうした機器なしの生活が不可能な人も多い。
また、自然環境はここ数十年で過酷さを増し、夏は酷暑で、災害級の大雨、大雪もあり、震災も各地で発生する。エアコンが苦手でも、使わずに過ごせば熱中症で倒れるリスクも大きくなった。災害を大きくしない取り組みは続いているが、完全に被害をなくすことは不可能だ。
そして、いつの時代も、人間関係のストレスは最も大きい。ある意味で不確定要素が最も高いジャンルと言える。苦手だからと言ってつき合うのをやめられない相手は、いくらでもいるだろう。
そんな中、日常的に過ごす空間の掃除は、自分の意志で環境をコントロールできている、という感覚を与えてくれるはずだ。掃除機をかければゴミやホコリが取り除かれ、拭き掃除をすればこびりついた汚れが取れる。目に見えにくい汚れも、掃除機内にたまったホコリを確認する、雑巾やモップについた汚れを見れば確認できる。具体的な手応えから、気持ちよい空間ができたと感じられるだろう。合わせて片づけをすれば、目に見えて空間がスッキリしたことがわかる。
小さな掃除のススメ
掃除をするうちに、モヤモヤが消えてスッキリする、イライラが鎮まる、落ち込みが回復していくのを感じられる場合もあるだろう。空間を整えることで、気持ちが整理されていくのを感じる人もいるのではないか。
忙しいときほど掃除をしてしまう人は、おそらく忙しさゆえのストレスを、掃除がある程度解消してくれることを体感として知っている。程度によるが、思い切って掃除してしまったほうが、その後の生産効率も上がるかもしれない。
もちろん、掃除の時間を日常的には取れない人もいるだろう。ロボット掃除機や家事代行サービスを利用している人もいる。しかし、窓拭きや階段掃除など、ロボット掃除機ができない部分はあるし、家事代行サービスを使わない日もあるはずだ。隙間時間でも、休日でも、いつでもよいので、心身の健康を保つために掃除をする習慣をつけてもよいのではないだろうか。
掃除担当の家族がいる場合も、自室だけ行う、あるいは他の家事と担当を交替するなどして、たまには自分で掃除してはどうだろうか。誰もがより健康的な生活を送るために、掃除は改めて見直されてよい家事である。
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