レイ・ダリオ「人類にとって最大の悲劇」
世界有数のヘッジファンド運営会社、ブリッジウォーター・アソシエーツを創業したレイ・ダリオは、同様の戦略で成功を収めた。ブリッジウォーターは数々の行動哲学にのっとって運営されているが、根本的なテーマはシンプルだ。
社員から反逆者のアイデアをできる限り引き出すこと。ダリオ自身の言葉で言えば、「徹底的な透明性」の確保だ。
こうした企業文化の下では、社員が自分の意見を表明することを恐れずに済む。むしろどんどん発言しなければならない。
ダリオは、心理学者アダム・グラントとの対話の中でこう言っている。「人類にとって最大の悲劇は、建設的な批判や反論ができなくなることです。何が真実なのかを見つけるにはそれが欠かせません(※7)」
ある企業では、会議の出席者全員が自分の意見を1ページの文書にまとめて提出する。文書はシャッフルされたあと出席者に配られ、それを受け取った人が順不同で読み上げていく。これも意見と地位とを区別して考えるための戦略の1つだ。
それぞれの戦略には細かな違いこそあれ、根本的にはみな同じだ。意見やアイデアを匿名化して多様性を確保し、支配型ヒエラルキーに陥るリスクを回避している。
※7 以下より引用。Adam Grant, Originals: How Non-Conformists Change the World (W. H. Allen, 2017).『Originals 誰もが「人と違うこと」ができる時代』アダム・グラント著、楠木建訳、三笠書房、2016年
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