「親の人生を肯定する」という子どもの役割
親にとっての財産は、不動産やお金といった目に見えるものだけではありません。この世に送り出した子どもが、どのように育ち、どのような道を歩んでいるか。
子どもの成長こそ、何ものにも代えがたい財産です。
私の父は、会社の倒産という挫折を経験しました。当時は、言葉にできないほどの苦労や悲しみがあったはずです。
けれど、息子が人の役に立ちながら生きている姿は、父にとって別のかたちの救いになったのではないかと思いました。
親が味わった無念さを、今の私の生き方によって少しでもやわらげたい。その気持ちが、日々の仕事に向き合う力になっていきました。
価値というバトンをつなぐリレー
子どもは、親から受け取った愛情や教えを、さらに大きな価値として世の中に返していく存在なのかもしれないと、私は考えています。
親から受け取ったやさしさがその子の中で育ち、やがてボランティア活動を始めたり、誰かを支える場をつくったりすることがあります。
勤勉に働く親の背中を見て育った子が、自ら事業を立ち上げ、社会に新しい価値を返していくこともあるでしょう。
人に求められる仕事をしているか。
誰かの役に立とうとしているか。
自分なりに誠実に生きているか。
親が「この子を育てて本当に良かった」と心から思えるとき、親の人生は大きく報われます。
親のために自分の人生を捧げるわけではありません。
けれど、自分が今の場所で精一杯に生きることが、結果として親の人生を明るく照らすことになるのだと思います。
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