塩分・糖分は「控えすぎ」が危ない

血圧が高めの人は、医師から「塩分をなるべく控えるように」と指示されます。また、「糖質オフ」や「糖質ゼロ」のロカボ(ローカーボ)商品が市場に出回るようになり、「糖質制限は体に良い」という認識も広まっています。

その結果、「塩分や糖分はなるべく控えた方がいい」と思っている人が多いようです。

けれども、高齢者にとっては「摂りすぎ」よりも「控えすぎ」の方が心配です。

まずは、塩分について解説します。

塩分を摂りすぎると高血圧になるリスクはありますが、歳を取ると腎臓が塩分をためておく能力が落ちるため、実際のところ「摂りすぎ」という状態まではいきません。それなのに塩分を控えると、塩分不足で低ナトリウム血症を起こす可能性があります。

低ナトリウム血症は、血液中のナトリウム濃度が低下し、体内の水分とナトリウムのバランスが崩れた結果、疲労感、吐き気、頭痛から、重症化すると意識障害やけいれん、昏睡に至ることもある病態です。

次に、糖分について解説します。

糖分を控えすぎると、糖尿病になるよりも、低血糖によって体に受けるダメージのリスクの方が高まります。また、低血糖になると意識がぼんやりとして、うっかりケガをしたり、行動を起こそうという意欲が失われていったりします。

高齢者の自動車運転事故がニュースで取り沙汰されていますが、私自身は「事故の主要原因の1つは低血糖ではないか?」と疑っています。

現代医学では「糖尿病の人はアルツハイマー型の認知症になりやすい」と言われていますが、これにも異を唱えます。

私が勤めていた浴風会病院は血糖値を下げる治療を原則的に行わなかったのですが、糖尿病でない人の方が、糖尿病の人の約3倍の確率でアルツハイマー型認知症になっていたからです。

うつ病を防ぐ、1日たった5分の習慣

認知症も、血圧、血糖値、コレステロール値もそれほど気にしなくて大丈夫ですよという立場の私ですが、「うつ病だけは気をつけましょう」とお伝えしています。心身にさまざまな影響が出て、一気に老化してしまうからです。

うつになる原因は、「心因性」と「身体因性」の2つに大別できます。

心因性は、配偶者やペットに先立たれたなど、心の拠りどころを失った状態。身体因性は、体に由来する場合で、こちらは自らの行動でなんとかできます。

そこで私がおすすめするのが、「5分日光浴」と「栄養のある食事」です。

女性の手が寝室の窓の白いカーテンを開けます
写真=iStock.com/Ake Ngiamsanguan
※写真はイメージです

「5分日光浴」を推奨するのは、太陽の光を浴びてほしいからです。うつ病は、セロトニンという、心と体を安定モードに整えるホルモンが不足することで起こるとされています。

1日たった5分太陽を浴びるだけで、脳内のセロトニンを増やすことができますから、「朝、カーテンを開けて朝日を浴びる」「近所を5分散歩する」など、ご自身にとってやりすい方法で日光浴をしてみてください。