選択的独身でも「ずっとこの先1人か……」
このように同じ世代でも「ライフスタイルのギャップ」が生じているのですが、それが既婚者、未婚者双方の孤独の原因になっているという指摘もあります。
たとえば、この世代の独身の人は、自ら望んで独身生活を選択している人は別として、いまだに自分の家庭をもてていないこと、パートナーや子どもがいないことに劣等感や孤独感をおぼえてしまいがちです。特に一人暮らしの場合はその傾向が強いといえます。
また、ふだんは独身であることをさほど意識していなくても、休日にふらっと出かけた先で、家族連れやカップルでにぎわっているのを見ると、にわかに「アウェー感」に襲われ、居心地の悪さや孤独を感じてしまうこともあるといいます。
さらに、「選択的独身」の人でも、ふと老後のことを考えると、「今はいいけど、この先ずっとひとりでやっていけるのだろうか」と不安になる人も少なくありません。
既婚者が感じる「満ち足りなさ」
一方、既婚者は既婚者で、仕事が終われば急いで帰宅して家事や育児をこなさなければならないため、同僚たちとアフターファイブで仕事の憂さを晴らすこともほとんどなく、休日は家族サービスに励まなければならないため、旧友たちと食事をしながら親交を温めるなどということも容易にはできません。
そうして、たとえば子どもを寝かしつけながら、「今頃みんなは……」と、独身の同僚や友人たちが自由に楽しそうに交流している場面を想像しては、ふっと孤独感が湧き上がってきてしまうこともあります。
しかし、かつてこの年代では既婚者が絶対的マジョリティで、未婚者はあくまでマイノリティだった時代には、「たまには家族に縛られない自由な時間が欲しい」と思うことはあっても、それが孤独感につながることはあまりなかったのではないでしょうか。それこそ、そんな時代には、「既婚者は勝ち組、未婚者は負け組」のようなステレオタイプのレッテル貼りがまかり通っており、それゆえ、「自分の家庭がある=勝ち組」の図式の中でちょっとした優越感すらおぼえ、「多少不自由はあっても、家族がいる自分は幸せなほうだ」と思えていたかもしれません。
ところが今は、周りを見渡せば、「父親・母親・夫・妻」という「役割」に縛られることなく、お金も自分の好きなことに使えて、身も心も自由になる「自分の時間」をもっている人たちにも囲まれているような状況です。
そういうところでは、優越感どころか「自分に足りていないもの」をまざまざと見せつけられ、「満ち足りなさ」を感じ、孤独感を抱いても不思議はないといえるでしょう。

