極端な大雨はさらに増える予測

そして将来についても、極端な大雨はさらに増えると予測されています。前で触れた「2℃上昇シナリオ」と「4℃上昇シナリオ」で見ると、21世紀末の日本では、1時間降水量50ミリ以上の雨の年間発生回数は、20世紀末と比べて、2℃上昇シナリオで約1.8倍、4℃上昇シナリオで約3.0倍になると見積もられています。

また、1年の中で最も多く雨が降った日の降水量、つまり年最大日降水量も、2℃上昇シナリオで約12%、4℃上昇シナリオで約27%増えるとされています。豪雨は「起こる回数」だけでなく、「降ったときの強さ」も問題になるのです。

なお、これは年降水量が全国で一様に増えているという意味ではありません。雨の降り方が極端になり、降るときには強く降る一方で、雨の少ない日も増える。

そうした「雨の降り方の変化」として見ることが重要です。

台風は「数」「強さ」「雨量」を分けて見る

台風については、豪雨や猛暑に比べて、温暖化の影響を単純に読み取りにくいところがあります。台風の発生数や進路、上陸数は年ごとの自然変動に大きく左右されますし、過去にさかのぼるほど、人工衛星などによる観測体制も現在とは違います。ですから、「温暖化によって台風がすでにこう変わった」と一言で言い切ることは慎重にしなければなりません。

とはいえ、台風が温暖化による影響をまったく受けないということではありません。台風は、暖かい海から水蒸気と熱を受け取りながら発達しますから、海面水温が上がれば強い台風を支える条件は整いやすくなります。また、大気中の水蒸気が増えれば、台風がもたらす雨量も増えやすくなります。

現在の研究では、世界全体で見ると、将来的に熱帯低気圧の総数は減る、または大きく変わらない一方で、強い熱帯低気圧の割合や、一つひとつの熱帯低気圧がもたらす降水量は増えると予測されています。

日本付近でも、台風の強度が強まり、台風に伴う降水量が増えると見積もられています。しかし、台風がどこで発生し、どんな経路を通り、日本に接近・上陸するかは、海面水温だけでなく、大気の流れや上空の風、湿り具合など多くの条件に左右されます。そのため、台風については、発生数、強度、雨量、進路を分けて考える必要があります。

また、同じ強さの台風でも、進む速度が遅ければ、同じ地域に長く雨を降らせ、被害が大きくなることがあります。台風のリスクは、単に「来る数」だけではなく、強さ、雨量、進路、移動速度が重なって決まるのです。