衝突が起きる根本原因
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。
第4位にランクインしたのは、『新版 自分の小さな箱から脱出する方法』です。2000年に発売され、世界300万部を超えるベストセラーとなった原書が、社会の変化を踏まえて改訂されました。
著者のアービンジャー・インスティチュートによれば、私たちが誰かと衝突する根本原因は、相手を十分に理解していないことでも、相性が悪いことでもありません。実は、自分自身の「自己欺瞞」にあるといいます。
では、「自己欺瞞」とは何なのでしょうか。一見とらえづらいこの概念をわかりやすく伝えるため、本書はストーリー形式で展開されます。
主人公は、ザグラム社に入社したばかりのトムとアナ。トムは開発部、アナは営業部に所属しています。ふたりは新任リーダー向けの研修のために会議室へ呼び出され、突然、「君たちには問題がある」と告げられます。
その問題こそが「自己欺瞞」です。「自分は正しくて、相手が悪い」と考え始めると、相手の欠点ばかりが目につき、自分の言動を正当化するようになります。そして、その態度が相手の反発や自己正当化を招き、人間関係はますますこじれていくのです。
「自分は人間関係にはそれほど問題がない」と思っている人にこそ、一読をおすすめします。
優秀だけどチームを壊す人たち
第8位にランクインしたのは、『ブリリアント・ジャーク 静かにチームを壊す人たち』でした。
高い成果を出しているものの、周囲には明らかに悪影響を及ぼしている。優秀だからこそ誰も何も言えず、チームの空気は悪化するばかり――。あなたもこれまで、そんな人に出会ったことはないでしょうか。
能力は高い一方で、チームの人間関係や雰囲気を損なう人は「ブリリアント・ジャーク(Brilliant Jerk)」と呼ばれます。Netflix社が「ブリリアント・ジャークを許容しない」と明言したことで、この言葉は広く知られるようになりました。
本書の著者は、組織変革や働き方改革を500以上の企業で支援してきた沢渡あまねさんと、組織・人事領域の調査研究を専門とする伊達洋駆さん。2人が現場で培った実践知と研究知見を掛け合わせ、「ブリリアント・ジャーク」を個人の性格の問題ではなく、組織の問題として読み解き、その解決策まで提示します。
特に印象的なのが、「優秀だけど有害な人」を放置することで、組織がどれほど大きな損失を被るのかを解説したパートです。心理的安全性や情動伝染、認知リソースといった研究知見を交えながら、たった一人の存在がチーム全体を静かに蝕んでいく構造を丁寧に解き明かしています。
「優秀だけど有害な人」と聞いて、頭に浮かぶ人がいるなら、ぜひ本書を読んでみてください。「あの人には困ったものだ」で終わらせず、組織として何ができるのかを考え、行動に移すきっかけになるはずです。


