この時代の「看護」が意味したもの

昭和15年(1940年)、日中戦争で孫が出征していくのを見届け、雅は82年の生涯を閉じた。

幕末から明治の内乱の時代、日清・日露戦争を経て大戦が始まるまで、雅と同世代の女性は相次ぐ戦争に翻弄されるしかなかった。

だが、「風、薫る」でも広島の陸軍病院が登場したように、そこにはナイチンゲールのように負傷した兵士を看護する女性たちがいた。この時代の看護とは、父親や兄弟、夫や息子、孫といった家族を兵隊に取られる女性たちの“せめてもの抵抗”だったのかもしれない。

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