前頭葉の老化を見分ける7つのサイン

そのほかにも、前頭葉の老化が原因で起こることがあるので、以下7つにまとめます。

① 頭の切り替えがきかなくなる

「今日は何月何日ですか」「誕生日はいつですか」と、2つの違う質問をしても「○月△日です」と同じ答えを返してしまう。質問は変わっているのに、同じ答えを繰り返してしまう。知能は落ちていないのに、脳の切り替えがきかない「保続」状態に陥る。日常生活では、世間の新しいルールやしきたりについていけなくなる。

② 変化についていけなくなる

隠されたルールを見抜くことができない。ルール変更に気づけない。目の前の事態が変わったことに気づけない。新しい事態を考えられない。

③ 毎日がどんどんワンパターンになる

外食をするのは、いつも決まった店。同じ作家や同じジャンルの本ばかり読む。散歩やジョギングのコースがいつも一緒。髪型やおしゃれに気を使わなくなった。

④ 新しい話ができなくなる

同じ話や、昔話ばかりしてしまう。会話のネタを探さなくなる。

⑤ 自分にも世の中にも興味がなくなる

社会のことにも、自分のことにも、関心がなくなる。傍観者になり、その日着る服を選べない。何を食べるのか決められない。

⑥ 人づき合いが面倒になって孤立する

対人関係の処理能力や、共感能力が低下し、ソーシャルスキルがなくなってくる。孤独を自ら招き寄せる。

⑦ 「何もしたくない」が増えてくる

脳への報酬であるドーパミンの受容体の機能も低下している。わくわく感やドキドキ、心が躍るような気分を感じることができなくなるため、全般的に意欲がなくなる。

これらの症状は、前頭葉の機能低下が引き起こしていると考えられます。ただ①~⑥は少し委縮が進んでからおこることです。⑦の意欲低下は比較的早く、50歳前後でおこります。

活気のある自分と社会をとり戻す

つまり、やる気を失い、挑戦や変化を遠ざけて、現状維持を求める状態が続いている場合「脳が老化している」と考えられます。

その後は、他の人とも交流を持たなくなるので、ずっとひとりぼっちで過ごすようになります。さらに頭を使わなくなる悪循環が生まれるのです。

ベンチに座る高齢女性
写真=iStock.com/sasirin pamai
※写真はイメージです

10代の前頭葉は未発達です。その頃は「無限にお肉が食べたい」「何日でもゲームをしていたい」「ずっと彼/彼女とデートしていたい」などと、欲求には限りがないように思えませんでしたか。

年齢を重ね、前頭葉が成長することで、自己抑制を身につけ、感情をコントロールする術を身につけることは必要なことだったかも知れません。ですが、歳を経た現在、その抑制が逆に前頭葉の衰えを招いている可能性があるのです。まったく、人間とは、面倒な生き物です。

人生100年時代。まずは「やる気」をとり戻すことから始めましょう。そのためには、前頭葉を鍛えることです。生気に満ちた、活気のある自分と社会をとり戻すためにすべきことを、私がご説明しましょう。