夜ぐっすり眠るにはどうすればいいか。順天堂大学医学部特任教授の小林弘幸さんは「寝る直前まで食事をしたり、スマホを見たりしてはいけない。睡眠の質は、入眠前3時間の行動が左右する」という――。

※本稿は、小林弘幸『メンタルは肉体が9割』(宝島社)の一部を再編集したものです。

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とにかく大事なのは「入眠前の3時間」

メンタルを安定させるうえで、睡眠は最も大切な土台の一つです。

どれだけ前向きに考えようとしても、どれだけ体によい習慣を取り入れようとしても、睡眠が乱れていれば、心は安定しにくくなります。睡眠中に体は回復し、脳は情報を整理し、自律神経のバランスも翌日に向けて整えられていくからです。

睡眠不足の状態では、交感神経が高ぶりやすくなります。朝起きても疲れが抜けない。小さなことでイライラする。判断力が落ちる。甘いものや刺激の強いものが欲しくなる。こうした状態は、睡眠によって体が十分に回復できていないサインです。

では、よい睡眠のために何を意識すればよいのでしょうか。

ポイントは、入眠前の3時間にあります。眠るためには、体を休息モードへ切り替えていく、つまり日中に優位になっていた交感神経が少しずつ落ち着き、副交感神経が働きやすい状態をつくることが大切です。

ところが、寝る直前まで仕事をしている。スマートフォンで動画を見続けている。遅い時間に重い食事をとっている。お酒を飲みすぎている。こうした過ごし方をしていると、体はなかなか眠りの準備に入れません。

「胃腸がフル稼働」ではよく眠れない

特に注意したいのが、夕食の時間と内容です。食事をすると、胃腸は消化のために働き始めます。夜遅くに肉料理や揚げ物、ラーメンなどの重い食事をとると、布団に入ってからも胃腸は働き続けます。これでは、入眠できたとしても内臓は休むことができず、睡眠の質は下がってしまいます。

理想は、就寝の3時間前までに夕食を終えることです。例えば夜12時に寝るなら、9時までには食事を済ませておく。そうすれば、眠るころには胃腸の仕事が落ち着いていて、体は休息モードに入りやすくなります。

もちろん、仕事や家庭の事情で、毎日そのとおりにするのは難しい人もいるでしょう。どうしても遅い時刻の夕食になってしまう日もあります。その場合は、量を控えめにする。脂っこいものを避ける。炭水化物をとりすぎない。温かい汁物や消化のよいものを選ぶ。こうした工夫をするだけでも、胃腸への負担は変わります。