性格は水と油なのに、奥井とはなぜか40年以上にわたって縁が続いているから不思議なものです。
彼との出会いは埼玉大学工学部に入った1981年でした。僕は単位をギリギリで卒業、学内でバイクを乗り回して怒られるようなやんちゃな学生だったのですが、奥井は超まじめ。学部、大学院と6年間一緒に過ごしましたが、彼の学問への真摯な姿勢には昔も今も敬服しています。
実は僕は学生時代、永久構造物の研究者に憧れていました。永久構造物とは、橋梁やダムなど長期間にわたって使用される建築物や土木構造物です。研究のアイデアはたくさん湧いてきたのですが、それをまとめあげる能力が欠けていると担当教官から言われ、民間企業に就職することに。造船重機の会社に入社しましたが、造船不況のあおりを受け社員の給与カットや子会社飛ばしなどが当たり前に行われるようになり、2年半で日工に転職することに決めました。奇しくも、奥井も新卒で同業他社に入社していましたが、同じ理由で学界へ転じ教授になりました。
彼は、橋梁・鋼構造工学の世界で最も権威のある賞とされる「土木学会 田中賞」を3回もとった、この業界の大谷翔平みたいな人です。その賞、1個ちょうだいよって感じですよね(笑)。道は違えど、僕が学生時代にやりたかったことを全部かなえた奥井をとても尊敬しています。こうして顔を合わせると、同じ学び舎で過ごした友人や恩師の昔話が止まりません。(辻)
※本稿は、雑誌『プレジデント』(2025年3月7日号)の一部を再編集したものです。
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(撮影=宇佐美雅浩 構成=本誌編集部)
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