いいコンサルを選ぶための4つの問い
そしてコンサルの価値が変わるなら、クライアントの見る目も変えなくてはならない。どうすれば、いいコンサルを選ぶことができるのか。
第一に「AIをどこに使っていますか」と聞くことが重要だ。どの工程にAIを使い、どの工程を人間が担い、最終成果物の品質を誰がどう担保しているのか、といった点を問うべきだ。そうすることでアウトプットを最大化するための設計能力の有無、ファームとしてAIの使い方に明確な規範を持っているかどうかがわかる。
第二に、価格の妥当性を問うべきだろう。AI活用により従来と同程度の資料が短時間でできるなら、クライアントとして「なぜ同じ金額なのか」と疑問を感じるのは自然なことだ。もちろん、AI環境の整備にもコストはかかる。だが、それだけでは説明不足だ。本当に必要なのは、短縮された工数が何に変換されたのかを示してもらうこと。プロジェクト期間が短くなったのか、対話の頻度が増えたのか、検討の射程が広がったのか、レビューが厚くなったのか、経営陣向けの示唆が深くなったのか。クライアント側が求めるべきは、効率化の果実がどんな形で自分たちに還元されるのかという説明である。
実は多くのクライアントが「コンサルはAIを使ってラクをしているのではないか」と思う一方、前述のように多くのコンサルは効率化の果実を還元している。問題は、そうした点をコンサルが十分に言語化してクライアントに伝えていないことだ。
機密情報をどう取り扱っているか
第三に、機密情報の扱いについて問うべきだ。どこまでの情報をAIに入れているのか。顧客情報や未公開情報はどう管理しているのか。こうした点を明確に説明できないコンサルは、いくら成果物が立派でも不安が残る。コンサルは、クライアントの内部情報に深く触れる仕事である。だからこそ、「AIは使っていますが大丈夫です」では済まない。何が入力可能で、何が禁止され、誰が管理しているのかまで説明できるかどうかが重要になる。
この点が不明確なコンサルは事故を起こす可能性があるだけでなく、実効性のあるAI利用ルールを策定・実施できていない可能性が高い。つまり、組織としてきちんとした方針を持ってAIを使えていない可能性が高いのだ。
第四に「この提案の中で人間だからこそ提供できる価値は何ですか」と尋ねてみることだ。AIが作った資料を説明するだけではなく、現場を動かして組織の意思決定につなげる役割を、自分の言葉で語れるかどうかが重要になる。AIという存在が大きくなる傍らで、自分たちのコンサルとしての価値がどこにあるかを考えていれば答えられるはずだ。
もちろん、これだけでコンサルの実力を完全に見抜けるわけではない。しかし、AI時代には、ブランドや肩書よりも「AIをどう使い、人間がどんな価値を提供するのか」を具体的に説明できるかどうかが、以前にも増して重要な判断材料になる。

