前立腺がんは入院費だけで25万円以上
がんが見つかったのは2年5カ月前。かかりつけの医院からすぐに大学病院へ回され手術したということだ。このときかかった費用だが、治療費は限度額適用認定証を提出したので、奥さんと同じで3万5400円だった。しかし入院費は別。差額ベッド料が必要ない8人部屋は満床だったので、入れられた部屋は2人部屋。差額料は1日1万2000円(税込み1万3200円)。
「入院期間は13日だったので17万1600円でしたね。他に食事代などの入院費もあったので、合計すると25万円以上払った」
「先生には、がんは完全に取り切ったといわれたのですが、これで治療終了というわけじゃないんです。再発を防ぐため、2カ月に1度のペースで抗がん剤による化学療法を続けているんです。入院の必要はなく通院で良いのですが、ほぼ1日かかります」
この抗がん剤がとても高価。中尾さんは76歳なので、後期高齢者医療制度により病院窓口で払う自己負担は1割で済むのだが、それでも1回で4400円になる。
「調剤薬局で飲み薬をもらうけどこれも高い。8週間分で5000円超えるから」
治療が終わってもまだまだ続く支払い
自宅から病院までは都営地下鉄と私鉄を乗り継いで行くので、往復の交通費が880円。1回病院へ行くと1万円以上かかってしまう。中尾さんは糖尿病もあって、これも毎月内科クリニックに通っている。血液検査と尿検査、診察してもらっており、クリニックの会計で払うのは約1300円。薬代は別で調剤薬局で3種類の薬を4週間分出してもらって1200円。合計すると2500円の医療費を払っている。
「これだけで年間3万円。眼科、整形外科、歯科にも通うことがあるので、大学病院での支払いを合わせた総額は10万円を超える」
自己負担1割だから払えるが、年齢が70歳未満で現役並みの3割負担だったら30万円以上になる。驚きの金額だと思う。
「来月も妻の病院代は12万円近くになるでしょう。わたしも大学病院に行く月、糖尿の治療費もあるので13万円前後の負担です。正直、重たく感じますよ」
年金はどのくらい受給しているかというと、中尾さんは18万円で奥さんが5万円。合計すると23万円あるので、お互いに重い病気になる前は大きな不安や心配はなかった。
「蓄えもそれなりに作っておいたので贅沢はできないけど、それなりの生活の質は保っていけると楽観していた。でも今は不安が大きい」

