キュウリの価格は昨年に比べて約2倍

地球の温暖化による気温上昇の影響もあり、世界的に幅広い分野でモノやサービスの価格は上昇している。物価の番人である日本銀行は、猛暑・天候による食料品価格の上昇に警戒を強めている。ヒートフレーションは、ある意味で経済政策にも影響し始めている。

足元、値上がりが目立つ品目の一つはキュウリだ。東京都中央卸売市場での価格の推移を見ると、6月上旬ごろからキュウリの価格は上昇し始めた。6月下旬の卸値は前年同期比6割高だった。7月中旬、昨年の同じ時期に比べ、小売価格は2倍程度上昇したところもあった。

キュウリの値上がりの背景は、梅雨時の雨を蓄えた地面から水を吸い上げた後、気温が急上昇してキュウリが巨大化したことがあるという。大きくなりすぎたキュウリは、サイズや食味など規格外品として扱われ、出荷できない。農家の中には、収穫したキュウリの3割程度を廃棄せざるを得ないケースもあるという。

畑で栽培されているキュウリ
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暑さをビジネスチャンスに変える企業も

カボチャでは、日光と地面からの熱の挟み撃ちで実が割れたり、日焼けしたりするといった被害が広がった。ナスも高温で実が割れる、花が咲かないなどの影響が出ているという。猛暑、そして40℃を超える酷暑が長引けば長引くほど、食品の価格には上昇圧力がかかるだろう。野菜だけでなく、鶏、卵、豚、牛の肥育にも影響は及ぶ。

それに伴い、食品の価格は上昇する。街中華の中には、キュウリの値上がりなどを理由に、冷やし中華の値上げを検討することもあるようだ。冷やし中華を気軽に食べられなくなるかもしれない。

一方、気温上昇を、ビジネスチャンスに変えようとする企業もある。清涼飲料水メーカーの中には、「アイススラリー」に商機を見いだすところがある。アイススラリーとは、細かい氷の粒子が液体に混ざったシャーベット状の飲料を指す。通常のスポーツドリンクよりも、清涼感を味わえることが人気を集めているようだ。

小売業界では、エアコン設置コストの増加や工事待ち期間の長期化を逆手にとり、ノイズなどが生じる分、価格帯が低く、移動可能な簡易エアコンを発売しヒットさせるケースもある。ミクロのレベルでみると、ヒートフレーションは、ビジネスチャンスになっているところもある。