結婚相手を導く「秘書問題」の計算式

秘書問題とは、以下のような問題です。

①あなたは秘書をひとり採用しようと思っている。
②N人の候補者がランダムな順番で面接に来る。
③応募者のN人は既知である。
④あなたは、候補者と面接してその採用/不採用を即座に決定する必要がある。
⑤一度不採用にした人を後から採用することはできない。
⑥目標は応募者の中でもつとも評価の高い(相対評価)秘書を採用することである。
⑦もし、N人まで面接して採用者がいなかった場合、採用者なしとなる。

この問題を数学的に解くと、少し興味深い結論が出ます。つまり、「最初の約N/e(注1)(約37%)は、選ばずに観察だけをし、以降はそれまでの誰より優れている応募者が現れた時点で選ぶ」というものです。

具体的には100人応募者があった場合(Nは既知)、最初の37人は誰も採用せずに、そこでの最高点数を記録し、その後この点数を超える人が出た場合に即採用して選考を打ち切るというものです。

この方法で、もっとも優れた人を採用できる確率は37%となります(証明は少し難しいので、解説書を当たってください)。

(注1)N/eのeは、自然対数の底でe=2.718

結婚候補者の37%を絞るには

とすると、結婚の場合も最初の37%の人とはおつきあいだけして結婚せず、最高の相手だけ選んでそれを基準にし、その人を超える人が現れたら、即決という方向が良いということになります。

美しい若い女性が男性を選ぶ
写真=iStock.com/SIphotography
※写真はイメージです

しかし、問題はN=既知、つまりあらかじめ人生で自分の前に現れる結婚候補者の人数がわかっていなければ、最初の37%というのが何人かはわからないということです。では、Nが未知の結婚決定問題は解けないのでしょうか。

この点について、著作家のブライアン・クリスチャンと計算認知科学研究者のトム・グリフィスは、ベストセラー"Algorithms to Live By”(※2)の中でひとつの近似方法を提案しています。

それは、Nを数でなく時間と考えるのです。結婚問題の場合、パートナー探しに費やせる期間を仮に18歳から40歳までとして、この間にコンスタントに候補者が現れるとすれば、だいたい全体の37%というのがどのくらいかを計算することができます。