「そうめん」だけの食事はNG
また、永島さんによると、1日に必要な水分の半分ほどは、食事から摂取するのが理想的だという。
暑さに慣れる体をつくるための食事について尋ねると、「暑くなりきる前の季節に、積極的に運動をするなどの対策をしている前提ですが」と前置きした上で、「水分量が多く、血液量の増加につながる良質なアミノ酸とタンパク質が含まれるバランスの良い食事を心がけることが大切です」と教えてくれた。食事からナトリウムを摂取して効率的に蓄積しておくことも有効だという。
暑いからといって、「そうめんときゅうりだけ」というのは必要な栄養素が摂取できず、NGとのこと。面倒でも、鶏むね肉や魚、大豆製品や乳製品を取り入れることが大切だ。
アドバイスを聞いて、さっそく昨夜の夕食は、そうめんに合わせて急遽とり天を作り、トマトとナスのポン酢あえも添えた。枝豆も茹でようと思ったのだけれど、体力の限界だった。体を気遣って料理をするには、仕事とのオンオフを切り替えることと、心身の余裕が必要そうだ。
暑い時の水分補給に効果的なスポーツドリンクも、部活動をする子どもがいる家庭などで毎日購入すると経済的負担が大きい。永島さんによれば、コストを抑えるには、手づくりするのもオススメだという。吸収効率がよいとされるスポーツ飲料の配分にあわせて、水1Lに対して塩2gと糖分40gを混ぜ、必要に応じてレモン果汁などを加えて飲みやすくすれば簡単に手づくりできる。
3食をしっかり食べ、自分の生活スタイルや好みに応じて、必要な飲料を選択し、猛暑を乗り切りたい。
永島 計(ながしま・けい)
医師・博士(医学)。早稲田大学名誉教授、順天堂大学客員教授、バイタレート株式会社代表取締役。京都府立医科大学医学部卒業。同大学大学院修了後、国内外の大学・医療機関で臨床、教育、研究に従事した。専門は環境生理学、体温調節、運動生理学、熱中症予防。現在は、暑熱環境における人体反応の研究や、ウェアラブルセンサーを用いた体温モニタリング技術の開発に取り組んでいる。最新刊に『10代から知っておきたい熱中症の科学 酷暑からいのちを守る知恵と技術』(旬報社)がある。



