経口補水液は下痢の時だけ
では、経口補水液はどうか。スーパーなどで購入すると、スポーツドリンクの2倍近い値段で売られているので、それだけでなんだか効果がありそうな気がしてくる。
だが永島さんによると、「汗をたくさんかいたとき用の飲み物としては設計されていない」という。こちらも改めて成分表を確認してみると、スポーツドリンクよりも糖分は少なく、塩分は多めだ。
「汗に含まれるナトリウム量は、体液の半分とか3分の1ぐらいの濃度なんです。でも下痢をした時って細胞外液量がそのままなんですね。なので、例えば1リットル下痢しちゃったら9gのナトリウムがなくなってくるので、点滴のかわりに補液するならばそれに近い塩分濃度のものを入れたいですよね。経口補水液はそういうケースを想定しているので、理論が全然違うんです。下痢をしていない限りは、基本的には経口補水液は必要ありません」
むしろ、発汗時の水分補給は、そもそも発汗に伴う体液損失を補うために成分濃度が設計されているスポーツドリンクが適切なのだ。
ここまで、日常的な水分摂取のタイミングと、スポーツドリンクの摂取方法について話を聞いた。では、普段の生活では、どのような飲み物から水分をとるのがよいのだろう。
「水分摂取はコーヒーでも緑茶でもいいですよ」
私は、朝コーヒーを多めに淹れ、それを水筒に入れて日中も水分補給として飲むことがある。永島さんにこの可否について尋ねると、意外にも「水分摂取はコーヒーでも緑茶でもいいですよ」と返ってきた。
「普段から飲んでいて、カフェインの影響を受けにくい人ならば、薄めに淹れて水分補給にしてもらっても大丈夫です。ただそれを水分摂取のメインにするとカフェイン量が多すぎてしまうので、他の飲み物と合わせて嗜好的に摂取するのがいいですね」
ちなみに牛乳はどうだろう。「熱中症には牛乳がいい」という記事を読んだことがあるけれど、牛乳は飲み口が重たい気がして、喉の渇きが癒やされるのか、少し疑問が残る気もする。
ところが永島さんは、「牛乳には電解質も含まれてますし、いいんじゃないでしょうか。昔から銭湯にも牛乳が置いてあって、風呂上がりに牛乳を飲む習慣がありますよね。ただ、水代わりに飲んでしまうと、牛乳は結構カロリーがありますから、そこは気をつけたほうがいいかもしれません」と回答してくれた。
確かに思い返してみると、風呂上がりの牛乳は格別においしい。
ご自身は、最近はメッシも愛飲していると話題の「マテ茶」を飲んでいるそうだ。日本マテ茶協会によると、マテ茶は南米で生産されているハーブティーの一種で、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄分、食物繊維など豊富な栄養素を含み、「飲むサラダ」などと言われているそうだ。



