論理だけでは人は動かない。頭を下げ、相手をほめたたえよ

ほめ方は相手のタイプや性格によって変えることが重要です。喜ぶツボは人によって違うのです。ここでは、上司を5つのタイプにわけてその攻略法を解説しましょう。

(1)権威主義的な上司

上に立つ人の大半は権威好きといってよいでしょう。彼らは権威のない人間がどれだけゴマをすっても喜びません。喜ぶのは権威筋からほめられたときです。したがって、このタイプは「社長がほめていたそうですよ」「あのやり手の部長がほめていました」など伝聞情報を活用する。この場合、多少の誇張はいいけれど真っ赤な嘘は慎みたい。裏を取ってからほめましょう。

(2)威張り散らすオレオレ上司

権威主義者の側面がある一方、実は小心者で言動も矛盾だらけというのが特徴。権威のある人のほめ言葉を使ったり、「僕もそう思うんです」と同調して相手を安心させることがポイントです。ただし、長い目で見ると、彼らはどこかで失脚する可能性が高い。そんな上司に苦労して踏み込んでも利は少ないので、適度な距離感を保ちましょう。

(3)頭がキレキレの上司

彼らはこちらの言うことを先回りして読めるし、意図も理解している。べたなほめ言葉は逆効果でいらいらさせるだけ。こうしたタイプには余計なことを考えず素直にうなずくだけで十分で、ときどき「課長は本当に報告書を理解するのが早いですね」と実直に感想を述べる。上司の優秀さを理解して、同時に尊敬していることを暗に伝える程度でいいでしょう。

(4)似エセ非キレキレ上司

頭がいいふりをする上司はたくさんいます。この手のタイプの扱いは簡単。「きれますね」「本質をついていますね」と持ち上げる。それだけで上司の気持ちは上がります。

(5)猜疑心の強い上司

安易なゴマすりは反感を買う恐れがあります。しらじらしいほめ言葉はNG。ほめるときは用心深く、相手を信用させることに比重を置くべきです。信用を得るためには、官僚式のお百度参り的ゴマすりがいいでしょう。1度こっきりではなく、何度も何度もほめ言葉を繰り返す。労を惜しんでは攻略できません。

(構成=小檜山 想)
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