「偏差値とゴマすりのうまさは比例します」。厚生労働省の元キャリア官僚として、東大法学部出身の秀才に囲まれてきた兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科教授・中野雅至氏はこう断言する。大物政治家たちを籠絡するエリートたちの技を開陳しよう。

仕事をスムーズに進めるためには、上司、部下、取引先などの関係者を納得させることが大切です。

たとえば、経済産業省の若手官僚がエコ産業の一大プロジェクトを企画したとする。そのプランが非常に優れており、国益になることが明白だとしましょう。しかし、実際にプロジェクトの予算を得るためには、うるさい政治家やマスコミ、圧力団体を説得しなければ始まらない。そのとき、上から目線の恫喝では説得できません。同意を得るためには論理的な説明が必要ですが、それでも足りません。ここで重要になるのがゴマすりです。