「新○○駅」が持つ“立地の弱点”

郊外であれば、大型商業施設をきっかけに人が集まるようになる「立地創造」ができたかもしれない。しかし、すでに一大市街地が形成されていた三宮からひと駅という絶妙な距離感において、新たな商業立地を創造するのは困難であった。

新神戸、新大阪、新横浜……「新」を冠するこれらの新幹線駅はいずれも高速走行を維持するための直線の確保、既成市街地における用地取得の限界、騒音問題などから立地が選定された。

大阪駅と新大阪駅、横浜駅と新横浜駅を見ても、やはり古くから栄えた大阪駅と横浜駅が商業地として発展し続けており、新大阪駅と新横浜駅は「通過点」の側面が強い。

コトノハコ神戸もまた、そうした「通過点」の宿命を背負った施設のひとつだ。新幹線で降り立った観光客は隣接する布引ハーブ園や北野異人館街、そして三宮へと素通りし、神戸市民は買い物・食事の目的地に当然のように三宮を選ぶ。構造の複雑さや運営の不安定さは改善の余地があるとしても、古くから繁栄し再開発も進む三宮のそばで求心力を保つのは容易ではない。

コトノハコ神戸は、廃墟化から脱する出口を探し続けている。

(初公開日:2026年6月14日)

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