エアコン2027年問題とは
では、「エアコン2027年問題」とはそもそも何なのか。
経済産業省は、エネルギー効率を改善する必要がある家電について、省エネ性能の目標値を定めており、この基準が2027年4月から引き上げられるというものだ。
エアコンの性能はAPF(通年エネルギー消費効率)という数値で表され、新基準では従来より最大で35%近いエネルギー消費効率の改善が求められる。目標値に未達の製品を多く出荷して全体のAPF加重平均値が目標に満たないメーカーにはペナルティが科されるため、メーカー各社は順次、基準をクリアした製品に切り替えていく見通しだ。
「新基準を定めた省エネ法が施行されたのは2022年ですので、メーカーにとっても突然決まった話ではなく、十分な準備期間がありました。もちろん技術的な課題はあるでしょうが、各社とも対応してくるはずです」
つまり、「2027年度以降は安いエアコンが買えなくなる」と過度に心配する必要はなさそうだ。まずは今使っているエアコンを試運転してみて、問題なく使えるか確認したい。
運転モードを「冷房」、設定温度を16〜18℃(設定可能な最低温度)、風量を「強」に設定し、10〜30分ほど運転する。異臭や異音、水漏れがないかを確認し、問題なく動くようであれば、慌てて買い替える必要はなさそうだ。
最新のエアコンにすると年3630円の節約
ただ、「今は問題なく使えているものの、いずれ省エネエアコンに買い替えたほうがいいのか」と迷う人もいるだろう。内閣府「消費動向調査(令和8年3月実施調査結果)」では、エアコンの平均使用年数は13.4年(2人以上の世帯)。そのため、使用から10年以上が経過しているなら、買い替えを検討する一つの目安になる。
とはいえ、省エネ性能が高いモデルほど価格も高い。「本当に元が取れるのか」と気になる人も少なくないはずだ。中村さんによると、部屋の広さにもよるが、10年前のエアコンから最新の省エネモデルへ買い替えた場合、年間の電気代は約13%、金額にすると約3630円抑えられるというデータがある(※)。ただし、この差はエアコンの使用時間によって大きく変わる。
※ 家電製品協会 2026年度版スマートライフおすすめBOOKより
「家族が長い時間過ごすリビングのように、冷房だけでなく暖房もよく使う部屋なら、省エネモデルを選ぶメリットは大きいでしょう。一方で、使用頻度が低い寝室などでは、そこまで高性能なモデルでなくても十分なケースがあります」
その理由の一つが、住宅性能の変化だ。
「昔の住宅は風通しを重視して造られていましたが、最近の新築マンションや戸建て住宅は高気密・高断熱が一般的です。エアコンが効きやすく、冷気も逃げにくい。冷房が中心で使用時間も短い部屋なら、今すぐ高価な省エネモデルへ買い替える必要性は低いでしょう」
つまり、省エネ性能の恩恵を最も受けやすいのは、家族が長時間過ごすリビングなど、使用頻度の高い部屋ということになる。

