【対応策】財産リストを作る

「夫婦の財産リストを作ろう」というのは、すでにお伝えしてきました。でも、相続の観点からは、もう一歩踏み込んだリストがあると助かります。

あるといいのは、契約しているサービスの情報。クレジットカード、サブスク、携帯電話、ネット回線、公共料金の引き落とし口座など。夫名義の口座が凍結されると、これらが全部止まります。

いざというとき、何を止めて何を切り替えればいいかがわかるリストが一枚あるだけで、混乱の中で一から探し回らずにすみます。

お金が定期的に出ていくものについては、連絡先や対応方法、パスワードまでリスト化しておくことをおすすめします。

“欲張りだから”もめるのではない

② 遺産分割

相続で「もめる」と聞くと、欲張りな人がいてみんなを振り回す、みたいなイメージを持つかもしれませんが、そんなことは滅多にありません。

みんながいい人で空気を読んで本音を言えず、モヤモヤと気まずさだけが残る、実際は、そんなケースが圧倒的に多いのです。

たとえば、夫の遺産が自宅3000万円+預貯金1000万円、相続人が妻と子ども2人の場合。法定相続分通りなら妻2000万円、子が1000万円ずつです。この場合、妻が自宅を相続すると、自宅だけで法定相続分を超えてしまいます。

家は母に譲るとして、現金をどう分けるか。

子どもたちにも住宅ローンや教育費があり、「お母さんが全部取っていいよ」とは言えない。妻は、家があっても預金がないと老後が不安。誰かが譲らなければいけないけれど、誰が譲ればいいのか。誰も本音を言い出せない。誰が悪いわけでもないのに、気まずい空気だけが残る。これが、実際にいちばんよくある相続の「もめ方」です。