転職面接で「あなたならA社(他社)の方が向いていますよ」と言われた場合、どのように切り返したらいいのか。キャリアカウンセラーの中谷充宏さんは「これは本当にA社を勧めているわけではない。面接官の意図を冷静に読み取る必要がある」という――。(第3回/全3回)

※本稿は、中谷充宏『《AI対応版》20代~30代前半のための転職「面接」受かる答え方』(秀和システム新社)の一部を再編集したものです。

2人の面接官と面接をするビジネスパーソン
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

前職の職場での人間関係で、不平・不満に思ったことはありませんか?

面接官が知りたいのはココ!
「他責傾向」から問題社員化するリスクのある人かを見極めたい

「他責傾向」をチェックする質問になります。

無事、採用選考を突破して入社しても、こうした不平・不満が溜まりに溜まって爆発する、もしくは独り耐え忍び問題行動に発展してしまう。面接官はこうした苦い経験をしているため、早い段階で見極めたい。そのための質問ということになります。

若手なので、先輩・上司から納得できないことを言われたことがあったとしても、取り上げるほどのものでないなら、「いえ、特にありません。皆と仲良くやっていました」と模範解答をしておくことをお勧めします。

この手の質問は、本音や真実を聞き出して自社に合うかを判断するのが目的です。そのやり取りの中で、「会社の方針がズレていた」「上司の指示が明確ではなかった」「コロナ禍真っ只中だったので市場が悪すぎた。責任を私一人に押し付けられたのは不満」等と発言すると、冷静に分析しているつもりでも「他責傾向あり」と見られて即座に不採用ということもあり得ます。

ただ、このまま質問しても模範回答しか返ってこないのが一般的です。

そのため面接官が「職場に必ずムカつく人とかいますよね? 実は私も前職でこういった人がいて……」と誘導してきたりします。

こうなると、「確かに、前職でもそういった人がいたな」と、子細すぎてわざわざ言わなくても良い件なのに、つい話してしまう危険があります。たとえば、「ありました。前職の上司が細かい人で、逐一報告を求められました。仕事は結果ですし、報告すれば仕事をしたことになるわけではないのに、報告作業が仕事の大半を占める時もあり、上司には不満でした」と回答したとしましょう。このままで終わると、よくある話で共感できるとなるのか、他責傾向があると見られるのかは面接官次第ということになります。

もしこうした不平・不満を伝えてしまったら、その後に、「とはいうものの、退社した今、冷静に当時を振り返ると、まだ若手で周りほど活躍もできていなかったので、その点を気遣って上司は私のためにマイクロマネジメントをせざるを得なかったと分析しています。報告の都度アドバイスもいただけていたし、次の期は目標にも届いたので、当時は感情的になった時もありましたが、今では感謝しかありません」と、ポジティブ方向でまとめておくことをお勧めします。