簡単にできる情報発信の習慣「雑談」

情報発信などというと、立派な意見を世間に向かって伝えるようなイメージを持たれるかもしれませんが、そんなに大げさに考えて身構える必要はありません。人と会話する機会を増やせば、自然とアウトプットも増えるはずです。

それこそ、相手は家族でもかまいません。ただし決まりきった言葉を交わすだけでなく、何らかのテーマについて「語り合う」ような会話をするのがいいでしょう。

テレビのワイドショーで取り上げていた社会問題でもいいですし、あるいは芸能人の不倫騒動でもいいから、「これはどうなんだろうね」「自分はこう思うんだよ」などと雑談をしてみるのです。

雑談であっても、相手の発言の意図を推測し、文脈を理解しようとしなければ、そういう会話は成り立ちません。ちょっと考え方や意見が食い違ったときなどには、感情のコントロールも必要になるでしょう。情報のアウトプットは、前頭葉の働きを総動員するような作業なので、老化防止には大いに役立つのです。

また、地域のボランティア活動や趣味のサークルなどへの参加も、間違いなくアウトプットの機会を増やします。そういう場所での会話は、家族相手の雑談とは違って目的がはっきりしているので、アウトプットの質も高まるでしょう。

たとえば「組織の運営をどうするか」とか「次はどんなイベントをやるべきか」など、会社でやっていた仕事上のコミュニケーションほど真面目なものではないにしても、仲間とのそういった相談事には、それなりにきめ細かい気配りが必要です。前頭葉をしっかり使った情報発信をしないと、話し合いはうまくいきません。

カフェのテーブルに座ってコーヒーを飲みながら話している2人
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人とのゆるいつながりで脳活性

アウトプットによって前頭葉が鍛えられるのに加えて、そうした集まりに参加すると、生活する中での「意欲」を高めることもできると思います。目的を持って行動するのですから、やる気が出るのも当然です。

しかも、そこでは仲間から何らかの「役割」を期待されます。「この人はこれをやってくれるだろう」という周囲からの期待が人の意欲を高めることは、いうまでもありません。

誰からも期待されない状態で物事に熱心に取り組める人は、それほど多くないでしょう。期待に応えたいと思うから、私たちは「頑張ってやろう」と思えるのです。

すでに述べましたように、前頭葉が萎縮すると意欲は衰えます。ならば、意欲が高まるような集まりに参加することで、前頭葉が活性化する面もあるでしょう。そこで活発なアウトプットを試みれば、ますます前頭葉を鍛えることができるのです。

もちろん、こうして積極的に新しい物事に挑戦することは、身体を動かすことにもつながっていきます。「情報のアウトプット」の機会を増やすことは単に認知や意欲だけでなく、運動能力の維持にもつながっていくのですから、いいことだらけだといっても大袈裟ではないのです。