日本における各国の諜報活動

ここで、各国の諜報員のことを、私たち日本の公安警察がどのような目で見ているか、簡単に触れてみたい。

【ロシア】

ロシアには諜報機関がおもに3つ存在する。

旧ソ連時代のKGB(国家保安委員会)の流れを汲み、ロシア国内で防諜活動に従事するFSB(連邦保安局)、国外で情報を収集するSVR(ロシア対外情報庁)と軍直轄のGRU(軍参謀本部情報総局)だ。

日本では本格的な訓練を受け、実践を積んだFSBやGRUのスパイが諜報活動に従事している。パーティーやセミナーに出席し、名刺交換をするなどして、独自のネットワークを構築している。

【中国】

その時々の情報関心により、日本にいる中国人の中から、エリートビジネスマンや、大学で教職にある者、事業で成功している者などを選別し、硬軟さまざまな手段を使って諜報活動に従事させる。スパイが直接活動に関わることは少なく、自分の意を汲む者を間に挟むことが多いので、足跡をたどりにくい。

また優秀な留学生の青田買いにも積極的で、それには大使館の敷地外にある別館が関わっていると言われている。必要とあれば、美人留学生をハニートラップに使用することも。

【北朝鮮】

在日北朝鮮人の動向を調査し、北朝鮮人スパイや協力者のリクルートや運営をしている。「日本におけるテロ」という意味では、最も要注意とされる存在。

【韓国】

朝鮮総連の動向を中心に情報収集している。中国と同様、必要があればハニートラップを繰り出すと言われているが、日本国内で日本人に仕掛けてもメリットはないので、実際はあまり聞かない。

【アメリカ】

日本における活動だけで本が書ける、と言われるほど、さまざまな局面に登場する。予算、人員、作戦等、いずれをとってもズバ抜けた実力を保持している。ひとたび「必要」と判断されたことなら、どんなことでも実行する。

【イスラエル】

イスラエルの諜報員といえば、映画や小説によく登場するモサドの諜報員。その存在や影響力の大きさから「スパイ大国」とも評されるイスラエルだが、実は、どのイスラエル大使館にもモサドの諜報員は配置されていない。普通のビジネスマンとして日本に滞在している人間が、諜報活動を行なっているのである。

【オーストラリア】

私たち日本人が想像する以上に、オーストラリアの人たちは日本に関心を持っている。日本が「信頼できる友好国であり続けてほしい」と願っているのが、ひしひしと伝わってくる。彼らの活動の中心は、オーストラリアに対する日本人の印象をよりよくすることである。

【イギリス】【フランス】【イタリア】

これら欧州の国々は、実は日本にあまり関心がない。

【ベトナム】【タイ】【マレーシア】【シンガポール】

これらアジア各国は、諜報活動を通して自国への悪い印象になる原因を探し、なくす努力をしている。

これを読んでどんな感想をお持ちになっただろう?

実感はないと思うが、実はあなたのすぐ近くにも世界各国の諜報員は存在していて、日々秘匿の任務を遂行しているのだ。

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