進む高齢化とインフレ経済による値上げラッシュで小売業の業績は各社苦しいなか、滋賀県を中心に展開するスーパー平和堂は2026年決算でも最高益を更新した。流通業に詳しい明治大学専門職大学院の白鳥和生教授は「地元密着の経営が結実している」という――。

ただただ地道な戦略で最高益へ

人口減少が進む日本で、地方スーパーの経営環境は大きく変わりつつある。かつては店舗を増やし、商圏人口の増加を取り込めば売り上げは伸びた。しかし今後はそうはいかない。人口そのものが減少し、高齢化も進む。物価上昇によって消費者の節約意識も強まっている。

こうした環境下で、滋賀県彦根市に本社を置く平和堂が独自の存在感を示す。2026年2月期の連結営業収益は4560億円と過去最高を更新。既存店売上高も前年を上回り、食品部門は堅調に推移している。派手なM&Aや急激な事業転換による成長ではない。地域に根差した商売を積み重ねながら成果を上げている点に特徴がある。

しかし平和堂自身は現状維持を目指しているわけではない。同社の第5次中期経営計画(2024~2026年度)を見ると、その方向性は明確だ。

ビバシティ彦根外観(駅側)
写真提供=平和堂
ビバシティ彦根外観(駅側)