サポーターのSNS投稿に、地元の人々が反応
数ある投稿のなかでも目を引くのが、かもめTV(@kamome_tv)さんの投稿だ。向かった先は、西部開拓時代の家畜市場の面影を色濃く残すフォートワースの観光名所ストックヤード。馬車やカウボーイに遭遇するなり、「ついに本物のカウボーイに会えた!!! めっちゃかっこいい! めっちゃハンサム‼」と興奮を爆発させた。
同アカウントは、黄色いスクールバスが校舎前を走る動画にも、「映画でしか見た事ない黄色いスクールバスだ!」と興奮。飲食店の会計後には、「おつり返ってきたんだけど チップはここに挟んで去っていけばいいの? それで大丈夫?」と、現地のチップ文化を尊重しながらも、初めての体験に戸惑いも隠さない。
ゴツッツ(@gotu_1998)さんは特大のトルティーヤチップスの袋を手に、「この大きさがアメリカでは普通なのか、、⁇」と目を疑った。ガソリンスタンド併設のセブン‐イレブンを前に、「これがアメリカのセブンイレブンや!」と目を見張る投稿や、野生のリスを見かけて興奮する投稿も並ぶ。
自動翻訳で取り払われた言葉の壁
アメリカ人には何でもない日常の風景が、彼らの目にはことごとく新鮮に映っている。その心情を包み隠すことなく爆発させた日本人ユーザーたちの素朴な反応を、アメリカのユーザーたちは温かく受け止めた。
背景にあるのが、ワールドカップの開幕前からSNS上で静かに育まれていた、日米間の交流だ。4月の記事で触れたとおり、AIによる自動翻訳で言語の壁が取り払われたことが一因となり、アメリカのユーザーたちの間で日本ユーザーによる投稿への関心が上昇している。
一例として、米海軍基地がある佐世保の焼肉店で米兵たちが歓声を上げる様子を描いた一枚のイラストが、アメリカのXユーザーの間で話題となり、投稿から1カ月ほどで4600万回以上表示される盛り上がりを見せた。物珍しい日本文化は「インターネット最後の秘境」とも呼ばれるほど話題となり、日米のユーザーが互いの文化を紹介し合う流れが生まれた。
両者はみるみるうちに交流を深め、やがてアメリカ側のユーザーたちは、「テキサスに来い。無料だ」「南部州は肉ゾーンと呼ばれている」など、自宅に招待する歓迎メッセージを寄せるまでになっていた。ワールドカップをきっかけに、わずか2カ月後、本当に日本のサポーターたちが押しかけるようになるとは、このときは誰もが予想していなかっただろう。

