32年でビール市場は約半分に

さて、ビール類の最盛期は1994年。出荷数量は5億7321万5955箱(1箱は大瓶20本=12.66リットル)だった。これが、2025年の販売数量は推計で3億1186万箱に減る(※)。94年を100%とすると25年は約54%。32年間で市場は最盛期の45%以上も縮小してしまった計算だ。

※ 推計としたのはアサヒとキリンが販売数量の公表をやめているため

ちなみに、ビール類におけるビールの構成比は、コロナ禍が始まる前の酒税改正の前年に当たる2019年で約48%だった。これが、2回の減税を経た今年の1月~5月では推計で同57.6%にアップしている。

果たして、最終回に当たる今年10月の酒税改正により、ビール類は縮小に歯止めがかかるのか。

「2度の減税でビールがプラス傾向に転じている上、本麒麟ビール化でビールのラインアップは広がります。ビール類の漸減傾向を鈍化させるのを期待している。ただ、少子高齢化は続いているため、長期的には市場は縮小していくでしょう」(今村恵三キリンビール執行役員)。

「会社としての公式見解がないので、個人の見解で申し上げると、人口減少が続くためビール類市場縮小は、どうしても続くでしょう。しかし、酒税改正を機にした主力商品のリニューアル、まったく新しい価値提案により減少を抑えていきたい」(古澤毅アサヒビール常務執行役員)。

アサヒグループホールディングス本社
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ビールのPBが増えていく

新たに生成されるビールのエコノミーは浮沈の鍵を握りそうだが、アサヒの首脳は次のような指摘をした。

「低価格帯の競争という点では、大手流通のPB(プライベート・ブランド)は増えていくはず。PBはNB(ナショナルブランド)よりも安いから。もっとも、アサヒはNBしかやらない」

前述の「ミニストップ」にて、350ミリリットル缶のPBについても、店頭価格を調べてみた。

キリンがイオンから受託生産する発泡酒「バーリアルグラン」は128円、サッポロが同じくイオンから受託生産するビール「プレミアム生ビール」は158円。

「バーリアルグラン」は同じ発泡酒の「スタイルフリー」よりも57円、「プレミアム生ビール」は同じビールの「黒ラベル」「スーパードライ」よりも58円、それぞれ安価だった。

10月からの増減税額を加味すると、「バーリアルグラン」は135.26円に、「プレミアム生ビール」は148.9円になる計算だ。

確かにPBは安い。安いポイントとなったのは、「バーリアルグラン」の前身で、2018年6月から第3のビールとしてキリンが生産を担った「バーリアル」。この商品は、メーカーのキリンと小売りのイオンとの直取引で生まれたPBだったのだ。つまり、卸を介していない。