「体感温度」を決める室温以外の要素

ここで重要なのは、「室温」と「体感温度」は別物だという点です。

たとえば室温が20℃あっても、壁の表面温度が15℃しかなければ、人はそこで寒さを感じます。人体は空気の温度だけで快・不快を判断しているのではなく、周囲の壁や床・天井から受ける放射熱(輻射)の影響を強く受けるからです。

これが「冷輻射」と呼ばれる現象です。

内断熱マンションでは、壁や床が冷やされることで冷輻射が発生し、体感温度が実際の室温よりも大きく下がります。暖房を強めても足元が寒いと感じるのは、エアコンの性能の問題ではなく、この冷輻射が原因です。

夏もこの逆のことが起きています。躯体のコンクリートが熱くなっているため、輻射熱の影響で、室温計で測る温度以上に暑く感じるのです。

結露は「マンションの宿命」ではない

ヒートブリッジがあると、冬の壁の室内側の表面温度が露点温度を下回りやすくなります。

露点温度とは、空気中の水蒸気が水滴へと変わる温度のことです。冬場の室内は暖房や生活で加湿されやすく、窓まわりや梁の周辺で表面温度が下がると、そこで結露が発生します。

マンションの梁周辺のクロスが剥がれたり、黒ずんだりしたのを目にしたことはないでしょうか?

カビの生えた壁
写真=iStock.com/Elena Abrosimova
※写真はイメージです

特に梁周辺は熱橋になるため、結露が生じやすく、ビニールクロスの劣化が早くなりがちなのです。

結露は単なる不快というだけの現象ではありません。放置すれば、カビの発生、内装材の劣化、アレルギーリスクの上昇、そして長期的な躯体劣化へとつながっていきます。

「マンションだから結露するのは仕方ない」という説明を耳にすることがあります。しかし、岡田さんはこう指摘します。

「外断熱では、躯体全体が断熱層に守られているため、室内側の表面温度が安定します。ヒートブリッジが大幅に減り、結露リスクも低減します。結露はコンクリートの宿命ではなく、内断熱という設計の結果です」

「マンションだから仕方ない」のではありません。「内断熱だから起きやすい」のです。

欧米の多くの国々では、ヒートブリッジ対策を施し、気密・断熱層を連続させることが義務化されています。そのため、実質的には内断熱のRC造の建築物を建てることは困難です。基本的にはすべての新築RC造の建物は外断熱になっています。